拾 ページ11
宿儺side
小さく乾いたような呻き声をあげた
それと同時にずっと聴いていた心音が一度妙な音を立てた
ドクッ
『うっっ、、あ"ぁっ、、、んくっっ、、、』
「!どうした」
左側の胸元をぎゅっと抑え、歯を食いしばるAを仰向けにさせ反転術式をかける
『っっ、はぁ、はぁ、はぁ、、、すく、な?』
「起きたか、、、まだ痛むか?」
『いや、だいぶ落ち着いたよ ありがとう』
「今のはなんだ?」
『、、、分からない 時々今みたいな事があるんだよ』
起き上がり、右目を手で覆い弱々しくそう答える
『、、、ちょっと変な夢見ただけだ、大丈夫』
ふと顔をこちらに向けると優しく微笑む両目から大粒の涙が頬を伝って零れる
「では何故涙が出ている」
『えっ?あっ、本当だ何故だろ、、、困ったなぁ、、全くっ止まらないっ』
「、、、はぁ、一旦落ち着け 堪えず泣きたければ泣けばいい」
優しく抱き寄せ頭を撫でる
『!、、、っ、コクッ』
「落ち着いたか?」
『うん、ありがとう』
「そうか、ではまだ寝ておけ」
『うん、、、なぁ宿儺』
「なんだ?」
『、、あ〜、やっぱりまた今度話す』
「そうか」
『うん、おやすみ』
「あぁ」
また背を向けて横になったと思うと少ししてこちらを向いた
顔が見えないが耳が赤くなっている
「”愛い奴め”」
長く美しい髪が褥の上に流れ波を描いている
髪に指を通しさらさらと梳く
ふわりと花のような、あの血の香しい香りがする
すっと口ずけをして目を閉じた
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ミズキ(プロフ) - ありがとうございます!!!これからも色んな宿儺様を書いていくので楽しみにしててください!! (2022年1月22日 11時) (レス) id: c9616b4eb1 (このIDを非表示/違反報告)
たぴ - 読ませていただきました!宿儺様が尊いですーーー (2022年1月22日 10時) (レス) @page17 id: cece85a69e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミズキ | 作成日時:2022年1月8日 23時