壱 月冴える ページ1
___約1000年前
ドッゴォ"ォ"ォ"ォ"オ
都から離れた山の麓に大きな轟音が響く
砂埃の中から藍色の袴を履いた長い黒髪の術師が現れた
『今回はなかなか手強かったな。特級三体、二級二体、その他下級呪霊数体。いくらなんでも湧きすぎだ…はぁ』
紅い刃の刀を同じく紅色の鞘に納め腰に差す
うつむき加減だった顔にさらりと黒髪がかかる
『ん?、、あぁ、髪紐ほどけたのか。どこだ?…』
スっと顔を上げ、先程まで呪霊の残骸があった辺りを見渡す。その瞳の片方は真っ赤な血のような赤眼でもう片方は一切光をともさない黒い瞳
『、、、あった』
紅色の髪紐を拾いそっと空を見上げる
そこには美しい満月が浮かび辺りを照らしていた
『、、、、タヒぬにはいい夜だな』
すると不意に目の端に白い花を咲かせる一本の木が映った
『”白椿?”』
そして白椿の木の下で座り着物の胸元を乱雑に開き忍ばせていた短刀を鞘から抜き長い髪を右側に流す
太い動脈がある首筋に刃を向ける
『”やっとタヒねる”』
瞼を閉じ、首を切る_____
が、首筋に浅く刃が刺さったところで誰かに手を止められる。それと同時に強い禍々しい呪力と大きな気配が目の前に現れる。
目を開けなくても今自分の目の前にナニが居るのかわかった
そっと瞼を開き怒りを滲ませた笑みをし、視線を前に移した
『、、、なんの真似だ?、、両面宿儺』
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ミズキ(プロフ) - ありがとうございます!!!これからも色んな宿儺様を書いていくので楽しみにしててください!! (2022年1月22日 11時) (レス) id: c9616b4eb1 (このIDを非表示/違反報告)
たぴ - 読ませていただきました!宿儺様が尊いですーーー (2022年1月22日 10時) (レス) @page17 id: cece85a69e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミズキ | 作成日時:2022年1月8日 23時