拝啓、未来の旦那さん【WT】 (ページ9)

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拝啓、未来の旦那さんページ9

私はある病気です。

末期でどうすることもできないそうです。

だから私は人生最後の賭けに出ました。

それがあなたとの物語を作ることでした。

私には自分の未来が視える能力がありました。

ある時に視えた、あなたと過ごす未来の私がすごく幸せそうで、

私はあなたと出会うことに決めました。

楽しかった。

ひたすら楽しかった。

予知の通りあなたは優しくて強くて楽しい人で

ずっと一緒に笑っていたかった。

だけど、それは叶わない。

だから私は名前以外何も教えることが出来なかった。

ごめんなさい。私の我儘に付き合わせてしまって、ごめんなさい。

最初は、残りの人生が退屈にならなければいいななんてそんな軽い理由で

だけどあなたと、あなたの仲間と過ごす度

欲が溢れる。この人達に全てを受け止めてもらいたいと願ってしまう。

だから、みんなの前から姿を消すことを決めました。

私の生きる意味を与えてくれてありがとう。

好きで好きで堪らなかった。

太刀川さんの顔も、声も、性格も、全部、

本当に結婚できたら、良かったのに。

私だけのものになっちゃえば良かったのに。

太刀川さんの馬鹿。

私よりいいお嫁さん貰わないと、太刀川さんの上の空はいつも雷雨ですからね。

鳴海A