自称“ただの一般人”２【ONE PIECE】 (ページ40)

今日:18 hit、昨日:2 hit、合計:40,274 hit

番外章『一枚目の願い事』ページ40

私は正直いうと、お酒が苦手だ。

別に嫌いってわけじゃないけど、あの苦さと飲んだあとの体の温もり具合が、どんなに繰り返し感じても慣れない。

まあ、カイくんと出会う前の数百年ぐらい前から、全然飲まなかったってこともあると思うけどさ······。

唯一飲めるお酒といえば、甘酒だけだと思う。

元々甘いものが大好きだったから、カイくんに合わせて少しでもお酒を飲めるようにと練習に使ったのが甘酒だった。

それで慣れて、甘酒だけは普通に飲めて、なおかつ好物になったんだと思う。

ところで、「なんでこんなお話するの？」って思う人もいると思うんだけど、その原因を作ったのは、私の体を取り囲んでいる龍である。

『······カイくん。そろそろお水飲も？』

真っ青な海みたいな色が体を染めている巨大な龍──。

大きく裂けた口からは牙がのぞき、触っただけで指から血が出てしまいそうなほどの硬い鱗。

後頭部には見慣れた曲線を描いた角に加えて、もうふたつ角が生えてる。

それだけなら、まだ「ただの龍(？)か！」って思うけど、長いひげとお酒によって酔っ払ってしまった様子とその声から、カイくんということがわかる。

「ア"ァ"？水なんてもん飲んだら、酔いが覚めてしまうだろうが！！」

『えー······でもさー······(汗)』

このあいだ手に入れた上等なお酒を浴びるほど飲んでしまったためなのか、いつも以上に酔っている。

『·············』

ぐるぐると私の身長よりもデカく丸い胴が、私を取り囲みながら、強く縛り付ける。