自称“ただの一般人”２【ONE PIECE】 (ページ19)

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第12章『──ヶ月ぶりのお仕事について』ページ19

“海”。

──それは、この世で一番広く未知の領域と称される塩水の塊だ。

海に憧れる人間なんてこの世に星の数ほどいるけど、能力者にとって天敵となる存在でもある。

かくいう私も、数いる能力者の一人のため海に入るどころか触るという選択肢すら命取りとなる。

『やあ！愛くるしいお嬢ちゃん！ここに○○くんっているかな？』

ここは△△島。

私は現在、カイくんの命令によって△△島の島の住民を皆殺しにきた。

なんでこんなことになったのはよく分からないけど、多分カイくんの機嫌を損ねたんだと思う。

ご愁傷様です！

「おねーさん誰ー？」

『私？私はただの一般人だよ。この島には少し用があってきたの』

5歳ほどと思われる女の子は、理由を話すと私のことを警戒していない様子で、話してくれる。

こういう情報入手には、子供に聞くのが最適なんだよね。
ホント優秀だわー。

『──じゃあ、○○さんは酒場にいるんだね？』

「うん！そうだよ！」

『そっかー』

酒場ね。酒場。
人も多いだろうし、島を沈める準備はいらないね。
酒場で全員皆殺し······とまではいかないか。

ここの島は小さいけど人が無駄に多い。
海賊もよく立ち寄る。

だけだ、どういうわけか今日はなぜか海賊がいない。
なんでだろ？
人間の本能ってやつかな？

『失礼します！ここに○○くんという紳士様はいらっしゃるでしょうか！？』

女の子に教えてもらった酒場へ行きドアを破壊しながら叫ぶと、お客や店員は全員私の姿を見た途端、顔を真っ青にする。