第11章・3 ページ16
『ヤッバー絶対それが目的で探してるよーあれ？もしかして今日が私の命日？』
最近、命日になる日が多いな。
なんだろ······私呪われてるのかな？
よくカイくんから「お前は自虐がすぎる」と言われるんだけど、自分では自覚がないんだよね。
まあ、自虐的な性格を持ってても持っていなくても、あまり変わらないものだとは思うけど······。
そんなことを心の中で呟きながら甘酒をちょびちょびと飲んでいると、ブオンッ！？っと耳の中がつんざくような変な音が私の耳をかすめた。
『さ、盃······！？』
巨大な盃が私の横を猛スピードで通過した。
え、誰の盃かだって？
······カイくんのです。
赤色のバッカデカイ盃が私の耳をかすめました。
ここだけの話、めっちゃ怖いです(泣)
『かっ······カイ、くん······』
はい。私の目線におられる怒りの表情を浮かべた男性が、カイくんでございます。
──てか待って！？
こっちを見ながら立ち上がらないで？！
怖い顔をしながらこっちに軽く手招きしないで？！
てか名前を呼ばないで？！
あ、いやっ呼んで欲しくないってことじゃないからね？！
そこは気にしないで！
平常心を装いながらも内心は阿鼻叫喚三昧である。
心臓はバクバク。冷や汗ダラダラ。
なんとかして場を穏便に収めようとするも、恐怖からその考えが浮かばない。
そのため、全部を諦めてカイくんのほうへ身を投げる。
「······なぜ、おれからのでんでん虫に出なかった」
カイくんの隣に降りようとしたのに、なぜか！何者かの手によって！カイくんの膝の上に乗せられた。
まあ、誰とは言いませんがね！
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作者名：ヒロ子 | 作成日時：2019年9月7日 18時
