ハンカチのお準備を ページ49
彼らの狙いは、どうやらこのクジラらしい。
バズーカの弾は壁となる皮膚を狙って飛んでいくが、身を挺したクロッカスによって弾が当たるはなかった。
そして、追撃の手は止まらないと言わんばかりにバズーカの引き金に手を伸ばした二人は、ルフィによって阻止された。
「──このクジラは、アイランドクジラ。“西の海”のみに生息する世界一デカい種のクジラだ」
酸の海に浮ぶ孤島こと鉄の船に招待されたA達は、縛り上げたMr.9とミス・ウェンズデーを囲むように話を聞いた。クロッカスが語る、ラブーンとある海賊団の話について。
ラブーンは、50年ものあいだ偉大なる海へ行った海賊達を待っている。例え、彼らが死んでいたとしても──
そんな話を聞かされ、A達は喪失感を抱えたままクロッカスに出口まで案内された。
こんななりでも医者と名乗るクロッカスは、昔は海賊もしていたらしい。その話を聞いて、またもやAは悩む表情で頭の記憶フォルダをあさった。歳をとると若い頃は思い出せたものが思い出しにくくなるというのは本当らしく、喉の辺りまででかかっている記憶が頭までいかないことにAは腹を立てた。
「険しい顔してるな」
『なんかムカついてよ、腹いせにこいつら投げ捨てていいか？』
「ああ、構わねェだろ」
「慈悲」という漢字が心の辞書にないAとゾロは、淡々と海に投げ捨てたMr.９とウェンズデーに見向きもせず船が双子岬へ到着するのを眺めた。
鎮静剤を打たれたことで落ち着きを取り戻したラブーンは、赤い土の大陸の反対側に向けて咆哮を響かせる。この叫びが、群れの仲間ではなく待ち人の海賊達に向けられているのだから、その意味を聞いただけで目が潤んでしまいそうだ。
『ジイさんは、その海賊達が偉大なる航路から逃げ出したんだと思ってるんだろ？』
「ああ、それ以外に彼らが帰ってこない理由はない。それに、確かな筋の情報だ」
「なんだA、思うところでもある顔だな」
『まァな』
サンジに指摘されたAは、コーヒーを飲みながらラブーンを見つめた。
『前にな、シュシュって白い犬っころに会ったんだ。そいつは、主人が死んでも交わした約束を守り続けてた。もちろん、死んでることも理解しての話だ』
「……」
Aの話に、ナミもシュシュの顔を思い出す。自分の何倍もの大きさを誇るライオンに勇敢にも立ち向かったあの犬のことを。
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滝登りのヒロ子(プロフ) - 猫か犬だと猫派さん» 更新を楽しみにしてくださり、ありがとうございます!!乱暴な性格のおじさんっていいですよね(●︎´▽︎`●︎)。ありがとうございます!! (2022年9月23日 8時) (
レス) id: 84d0737003 (このIDを非表示/違反報告)
滝登りのヒロ子(プロフ) - ナナさん» ありがとうございます！無理せずに楽しく頑張らせていただきます!! (2022年9月23日 8時) (レス) id: 84d0737003 (このIDを非表示/違反報告)
猫か犬だと猫派 - 続編楽しみにしてました〜。毎日更新されてとても尊敬しています！夢主さんの性格も大好きで、とても更新されるのを楽しみにしています！ (2022年9月19日 15時) (レス) id: b2d9f0611e (このIDを非表示/違反報告)
ナナ - 続編おめでとうございます！男主にビビッときてしまいました！無理せず頑張ってください！！ (2022年9月19日 15時) (レス) id: 7ea8debc19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒロ子 | 作成日時：2022年9月13日 19時
