※銃を投げてはいけません ページ23
そして、さらに忘れてはいけないことがある。
『やっぱ物はダメだ……なッ』
Aが正規の方法で武器を使う気がないことだ。
勢いよく投げられたピストルは投擲武器へと昇格を果たし、魚人達に襲いかかる。
野球選手もびっくりなその威力は、見事前線を走っていた魚人の片目に直撃した。痛さで足を止め、もだえ苦しむ魚人に慈悲を与える隙もなくAは走り出した足を浮かせ、蹴りを食らわせる。
「野郎ォッｸﾞﾊｯ!!」
「グッ!!!」
「ギャアアアアアアアア!!!!」
次々と魚人に格闘術を披露するAの姿に、ウソップは顔を引きつらせる。
刀を振れば砕かれ、銃を撃てば避けられる。そして次の瞬間には意識を失うほどの激痛が体中を這い回るのだ。
あっという間に魚人の山を作ったAはあれだけ暴れても汗一つ、呼吸一つ乱していないのだからたいしたものだ。
「よ、よーし！ おれの作戦通りだ！ よくやったA!!」
『おいおい、働いていない奴がよく言うぜ……いや、無職の方がありがたかったな』
「え？」
ひやりと感じた首の冷たさに、ウソップは固まった。
銀色に輝く刃を手に、ウソップを人質にとった魚人のチュウは自分の仲間を蹴散らしたAを忌々しそうに睨み付ける。
『そいつを人質にしても、なんの価値にもならねェぜ』
「チュッ♡ そうはいかねェ。こいつの首とお前の首が揃わねェと、アーロンさんの怒りは収まらねェ」
『それで？ その人質はともかく、アンタはおれの首をもげるほど強いのか？』
首を横に振るチュウは、ウソップの首へナイフを近づけた。
おおかた、ウソップの首だけでもアーロンの元へ持って帰り、Aは取り逃がしたとでも言おうと思っているのだろう。
正直、ウソップを助け出すのは赤子の手をひねるより簡単だ。しかし、目に見える魚人を倒し終えたと考えて気を緩ませていたAに、戦う意思などは消え失せていた。
『オッケー、根性負けだ』
「A……」
両手をあげたAは、眉を八の字にすると降参の意を見せた。
『そこの長鼻と一緒に首はやるよ。ただ、ひとつ頼みを聞いちゃくれねェか？ なあに、簡単な願いさ、ランプの精に祈るよりも単簡に終わる』
Aはチュウの元に歩み寄る。
敵意も殺意も感じられないAの笑顔は、脳内に立てられた企みを隠していた。
『冥土の土産に、アーロンに会わせてくれ』
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滝登りのヒロ子(プロフ) - 猫か犬だと猫派さん» 更新を楽しみにしてくださり、ありがとうございます!!乱暴な性格のおじさんっていいですよね(●︎´▽︎`●︎)。ありがとうございます!! (2022年9月23日 8時) (
レス) id: 84d0737003 (このIDを非表示/違反報告)
滝登りのヒロ子(プロフ) - ナナさん» ありがとうございます！無理せずに楽しく頑張らせていただきます!! (2022年9月23日 8時) (レス) id: 84d0737003 (このIDを非表示/違反報告)
猫か犬だと猫派 - 続編楽しみにしてました〜。毎日更新されてとても尊敬しています！夢主さんの性格も大好きで、とても更新されるのを楽しみにしています！ (2022年9月19日 15時) (レス) id: b2d9f0611e (このIDを非表示/違反報告)
ナナ - 続編おめでとうございます！男主にビビッときてしまいました！無理せず頑張ってください！！ (2022年9月19日 15時) (レス) id: 7ea8debc19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒロ子 | 作成日時：2022年9月13日 19時
