野望のために ページ14
『(幸運なことに、まだおれのことに気づいてねェな……)今のうちに逃げy』
「久しぶりだな、A」
『チクショウッ！ 気づきやがった!!』
十年以上会っていない男に気づくとは何事だ、と叫ぶA。
ミホークの名前を聞いてコック達と飛び出してきたゾロは、世界最強の剣豪に名前を呼ばれたAの顔を見た。彼を前に恐怖も死も感じない男は、ワインボトルをミホークへと投げる。
スパ──
音もなく斬られたボトルが海へ落下する。Aは舌打ちを飛ばした。
『何しに来た』
「暇つぶしに来たまでだ。……が、貴様と会えた。今日は良い酒が飲める」
『海水でも飲んでろ。おれは今忙しいんだ……って、ロロノアくん何やってんの？』
海に浮かぶ海賊船の残骸にて、ミホークと対峙するゾロにAは疑問をぶつけた。
「ヒマなんだろ？ 勝負しようぜ」
『マジで死にたがりじゃねェか。馬鹿だろ、大馬鹿だろ』
「黙ってろA。おれはお前に会うために海へでた!!」
ゾロが目指すは「最強」の剣士。
ミホークを斬るため海へでたゾロは、今日という日を待ち望んでいたのかもしれない。
三本の刀を構えるゾロに対して、これで十分だと首にぶら下げていた小刀を構えるミホーク。
「A、こいつはお前の仲間か？」
ミホークの問いに「さあね」と答えるA。
『おれは死なれても無視するタイプだぜ、ロロノア』
「知ってる。……こいつに勝ったら、お前が誰なのか教えてもらうぜ」
『おれはおれさ。ただの旅人で海賊』
「あの鷹の目と対話できる人間が、ただの旅人か？」
鷹の目に殺気を放っているというのに、ゾロの目はAを睨んでいる。今まで勝ち取ったゾロの信頼がすべて泡になるように、彼から向けられるのは「不信」の二文字だ。
そして、世界最強の剣士と海賊狩りの2人の戦いは、圧倒的な力の差で勝負をつける。
手に汗握る戦いに、周りの人間は度肝を抜かれた。
「背中の傷は剣士の恥だ」
「見事」
左胸から右腹にかけてミホークの一太刀を食らったゾロは、血を吹き出しながら海へ真っ逆さまに落ちていった。
『野望、ね』
夢のために死を選ぶ男の心意気に、拍手を送るA。
無謀にもミホークに殴り掛かるルフィは、ゾロの言葉に笑いながら答えた。
「貴様とはまた今度だ……A」
『その今度がないことを祈るぜ』
しっしっと手を動かすAは、101回目の祈りを神に捧げた。
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滝登りのヒロ子(プロフ) - 猫か犬だと猫派さん» 更新を楽しみにしてくださり、ありがとうございます!!乱暴な性格のおじさんっていいですよね(●︎´▽︎`●︎)。ありがとうございます!! (2022年9月23日 8時) (
レス) id: 84d0737003 (このIDを非表示/違反報告)
滝登りのヒロ子(プロフ) - ナナさん» ありがとうございます！無理せずに楽しく頑張らせていただきます!! (2022年9月23日 8時) (レス) id: 84d0737003 (このIDを非表示/違反報告)
猫か犬だと猫派 - 続編楽しみにしてました〜。毎日更新されてとても尊敬しています！夢主さんの性格も大好きで、とても更新されるのを楽しみにしています！ (2022年9月19日 15時) (レス) id: b2d9f0611e (このIDを非表示/違反報告)
ナナ - 続編おめでとうございます！男主にビビッときてしまいました！無理せず頑張ってください！！ (2022年9月19日 15時) (レス) id: 7ea8debc19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒロ子 | 作成日時：2022年9月13日 19時
