トイガン ページ2
「頼みがあるんだ」。そう言いかけたその瞬間、カヤの執事であるクラハドールという男が現れ、ルフィ達を注意した。
カヤが言いかけた言葉を遮る彼の目は、完全にA達を不審者扱いしている。
「あのさ、おれ船が欲しいんだけど」
「ダメだ」
わかりやすく落ち込むルフィ。悲しさのあまりAの胸に顔を埋めようとしたが、綺麗に殴られて拒絶された。
クラハドールはウソップの姿を見ると何かを察したように、嫌みったらしく言葉を選んでしゃべり出した。もちろん、言われ慣れているウソップは気まずそうな表情を浮かべるが受け流していた。
しかし、クラハドールの「ウス汚い海賊の息子」という台詞は耐えきれなかったらしい。カヤもそれに気がつきやめるように言うが、クラハドールの口は止まらない。ウソップの顔色はみるみるうちに変わっていき、最終的にクラハドールに手を出してしまった。
『海……賊』
「？」
心臓が脈打った。
なぜ、気がつかなかったのか……。なぜ、思い出せなかったのか……。
タバコを噛む力が増したAは、唇から血が垂れることすら気がつかないほどある海賊の顔を思い出す。
赤髪との戦闘中、銃を片手に自分を睨んでいた狙撃手の男……。
『あいつの
一瞬、コートの奥にしまっていたナイフに手を掛けたAは、感情を落ち着かせるように吐き捨てた。
怒りの矛先を向けるものは、赤髪の男でなくても関係ないらしい。
「……」
『なんだよ、ロロノア』
「いや、気にするな。……ただ」
あのときと同じ顔をしてたお前を、斬ろうとしただけだ。
初めて会ったときのAを思い出しながら、ゾロは刀から手を離した。
あのときからだろうか。ゾロが大切な船長のために、仲間を斬る覚悟を持ったのは。
『もうね、いいんじゃないですか──五老星』
あれから数分が経った。
カヤのおかげでその場は静まり、屋敷から出て行ったウソップと愉快な仲間達。そんな彼らに理由を付けて別行動をしているAは、タイミングよくかかってきた電伝虫にすがっていた。
『もう十年、人を殺してない。なにもしてないし、誰も不幸にしてない』
覇気のない声で呟かれた言葉は、殺気も何も感じない。
ただただ、年老いた背中はAの情けなさを語るだけだ。
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滝登りのヒロ子(プロフ) - 猫か犬だと猫派さん» 更新を楽しみにしてくださり、ありがとうございます!!乱暴な性格のおじさんっていいですよね(●︎´▽︎`●︎)。ありがとうございます!! (2022年9月23日 8時) (
レス) id: 84d0737003 (このIDを非表示/違反報告)
滝登りのヒロ子(プロフ) - ナナさん» ありがとうございます！無理せずに楽しく頑張らせていただきます!! (2022年9月23日 8時) (レス) id: 84d0737003 (このIDを非表示/違反報告)
猫か犬だと猫派 - 続編楽しみにしてました〜。毎日更新されてとても尊敬しています！夢主さんの性格も大好きで、とても更新されるのを楽しみにしています！ (2022年9月19日 15時) (レス) id: b2d9f0611e (このIDを非表示/違反報告)
ナナ - 続編おめでとうございます！男主にビビッときてしまいました！無理せず頑張ってください！！ (2022年9月19日 15時) (レス) id: 7ea8debc19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒロ子 | 作成日時：2022年9月13日 19時
