少年の対抗 ページ17
翌日の朝。
半泣き状態で飛びついてきたルフィに叩き起されたAは、安眠を邪魔されたことにより機嫌が悪かった。
「Aーー!!!!」と鼻に絆創膏を貼り付け、顔や膝に傷を作ったルフィはAのコートを必死に引っ張る。
「あっ……!! き、昨日のオバケ……!!!」
『あ?』
半目をこすり、欠伸をしながらルフィに言われるがまま歩いてきたAは、自身を指さす少年の言葉に重い瞼を開けた。
まだ覚醒していない脳みそが、少年の顔をぼんやりとだが思い出させてくる。
お手製ハンモックに興味を惹かれていた少年だ。Aは「あァ、昨日の……」と裏返る声で呟いた。
「エース!! Aがお前に勝ったら、おれの友達になってくれ!!!」
『「なんでだよ!!」』
意味不明。
ルフィの発言に何言ってんだという顔で、Aとエースはその意味を理解しようとはしなかった。
『あのなァ……なんでおれがこんなガキと戦わなきゃいけないんだよ』
「だって、おれじゃあ勝てねェんだもん」
『お前の勝手な都合じゃねェか。だいたい、おれがあんなガキに負けると思うか?』
「ううん。A強いもん」
『だろ? だからこれは勝ち試合だ。それじゃァ勝負にならねェ』
「……ちょっと待てよ、ジジイ」
Aが生きている人間であったことに安心した表情を見せていたエースは、不機嫌そうに目をつりあげて鉄パイプを握りしめた。
「おれがお前みてェなジジイに負けるわけないだろ……勝ち試合? 冗談言うな。お前の負け試合だ」
『ジジイジジイって、おれはまだそんな歳じゃねェよ。歳上に対する態度も知らないとは……親の教育はどうなってんだ』
「親なんて……いねェよ」
『地雷だったか? それは失礼した』
「A……? エース……?」
2人の間に飛び散る火花が、ルフィを圧倒させた。
余裕の笑みを浮かべながら紫煙を吐き出すAと、親発言によってよりいっそう機嫌を悪くしたエースは、闘いのゴングがなるのを今か今かと待っていた。
子供相手に大人気ないと言われるかもしれないが、舐められたら終わりなのが男の社会である。
そこに年齢の壁はない。
「ウォリャアア!!!!」
『ふむ、威勢は良し』
先陣を切って飛びかかったのは、エースだ。
振りかぶった鉄パイプをAに向けて振り下ろすと、エースは「くそっ」と避けられたことに対して舌打ちをとばした。
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いふふぁん(プロフ) - ガチで面白いです!夢主のキャラがマジで好み。自分イケおじに弱いんで夢主タイプですほんとにタイプです笑!更新待ってますね〜!! (11月24日 7時) (レス) id: d3a9a324f0 (このIDを非表示/違反報告)
アイズ(プロフ) - とっても面白いです!無理せずのんびり更新していただけると嬉しいです!個人的に白鯨推しなのでぜひ作っていただけたらとても喜びます♡楽しみにしてますね😄 (2022年10月10日 0時) (レス) @page42 id: 3dc7d1a49b (このIDを非表示/違反報告)
kp.ポテト丸(プロフ) - 好きぃぃぃぃぃぃぃっっ!! 、、、夢主君、いや夢主さんと呼ぶべきか。非常に好みです!笑 毎日投稿されているのでせっかちな僕には嬉しいものです😊ちゃんとゆっくり休んでくださいね!(何様お前) (2022年10月9日 21時) (レス) @page42 id: cc3d51cba9 (このIDを非表示/違反報告)
ヒロ子(プロフ) - よしこさん» 楽しみにしていただき、ありがとうございます😭🙏アラバスタ編から一気に事件や物語が加速していくので、最終的にマイナスの領域までいきそうです(笑) (2022年10月1日 22時) (レス) id: 84d0737003 (このIDを非表示/違反報告)
よしこ(プロフ) - 続編おめでとうございます‼️これから起こる事件で夢主がどれだけ減給されるのか、、、とても楽しみです (2022年10月1日 21時) (レス) id: b2446655e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヒロ子 | 作成日時:2022年10月1日 19時