No.50 こんにちは、個性泥棒さん ページ10
『さあさァ、お手を拝借。これより見せるは一世一代、フレイムヒーロー・エンデヴァーからの授かりし力！ とくとご覧あれ』
軽い身のこなしで宙へ舞うA。
手には蒼炎の玉がジャグリングのように回されていた。
「んだよ、俺のより綺麗じゃねえか」
青く光る彼女の姿があまりにも美しいものだから、燈矢の目は奪われて釘付けになった。
しかし、火の玉が大きな音を立てて部屋中に広まると正気を取り戻した。
鼻の奥をつく臭いが燈矢の顔を顰めさせる。
これは──ガソリン……？
『言い忘れてたけど、このビルにはダイナマイトが仕掛けてある。例えば、そうだ、こんなのがゴロゴロと』
そう言ってAは懐から1本のダイナマイトを取り出した。
「おいおい、まじかよ」
『ここで勝負だ、轟燈矢。勝敗は崩壊したビルの中に立っていた者ただ一人。敗けた奴は勝った奴の言うことを聞きな！ 意義は認めん！ さあ！ レッツゴー!!』
「ハッやっぱイカレてんなお前。いいぜ、乗ってやる。俺が勝てばアンタをもらうぜ」
『あらあら、イケメンに貰われるなんて幸せだね。どんと来な、相手してやる』
着火とともに爆発するガソリンの煙が、2人を飲み込んだ。そして次々と聞こえる爆音……鼓膜を破るほどの威力に、外で待機していた義爛もタバコを落としてビルの方へと振り返った。
────ドッッッツツツツツゴォオオオオオオオオ！！！！！！！！！！！！！！
火花散る中、ビルが崩れ落ちた。
砂煙が晴れ、残骸の姿が明らかになった。
そこに立ち尽くす人影がひとつ、目に入った……────
『ふふ……ふふふっ……あっはははははッ死ぬかと思ったァ〜！』
勝者は豪快に笑った。
「…………」
敗者は勝者に抱えられ、静かにおねんねだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 504人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
葵(プロフ) - ヒロ子さん、お願いします続きを書いて下さいお願いします (4月13日 15時) (
レス) id: 49d8a27476 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - ヒロ子さん、調子でも悪いんですか？私は先週のそのまた先週の金から日曜まで熱を出しまして凄くだるいしきついしで苦労しました。後ヒロ子さん、狼煙の続きが気になって仕方ないのですが無理はしないで下さい(私が言えた者ではありませんが…)ではよろしくお願いします (6月17日 16時) (レス) id: 49d8a27476 (このIDを非表示/違反報告)
おはよ - めっちゃ面白くて前から見てます！！ 続き楽しみにしてます！ できる範囲で頑張ってくれたら嬉しいです (2023年3月22日 0時) (レス) @page30 id: d4f6705fb9 (このIDを非表示/違反報告)
No. 8 - 頑張ってください〜体調に気をつけて出きる範囲で投稿してくれたら嬉しいです❗ (2023年1月31日 18時) (レス) id: 5919bfebbf (このIDを非表示/違反報告)
ヒロ子(プロフ) - No.8さん» さ、さあなんのことですかネ〜:( ;˙꒳˙;):ありがとうございます😭🙏🙏なるべくたくさん更新できるように心掛けます🙏 (2023年1月29日 22時) (レス) id: 84d0737003 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ヒロ子 | 作成日時：2022年12月24日 19時
