No.69 嵐の前の静けさにて、彼女は自分を語るだろう。 ページ32
──“一緒にやりましょう！”……か。
フッ……と、Aはくすぐったく笑った。
『できることなら私も参加したかったなァ……。でも、“
狼煙が上がり、蒼い炎が森を青く照らす。
耳をすませばそこかしこで聞きなれた悲鳴や怒号が鼓膜を刺激した。
『燈矢くんは何か察してたようだけどそれも込みの計画だ』
ふふんっ、と鼻を鳴らすとAは自信満々に語り始める。
『長かった。5年の歳月を経てようやく軌道に乗った……弔を育てるのは十年以上かかったか…………我ながらよくやったとつくづく思う。そもそもの始まりはなんだったか？ あー……そうだ、弟だ、与一だ。アイツが持ってきた漫画だ…………ははっ、懐かしいなァ、いろいろ思い出せてきた』
暖炉で暖まるように燃える森に手を伸ばし、星空を眺めるAの目は過去を見据えていた。
──「見てくれ姉さん！面白いんだ！これ！！」
自信満々に本を開く弟の顔が蘇る。
──「やっぱりヒーローはカッコイイよ！」
夢を見る弟の笑顔が蘇る。
『あの漫画面白かったなァ…。私が作家になったのもあれがきっかけだったけ、人生に伏線を張りたい！ そう豪語してやったことは小説にこの人生を記すこと──』
“Aという人間は、人生を分厚い小説と思っている”。
彼女のことを知る人間は口を揃えて言った。
自分のことを他人事のように解釈するAに違和感を持つ者は多かったが、小説の読み手として人生を歩んでいると言われれば多くの者が納得した。
──「先生、あんたは自分の人生をどう終わらせる気じゃ？」
──「人生いつかは終わりが来る……」
──「BADENDかHAPPYEND、どちらを選ぶ？」
昔、ドクターが聞いてきた。
酔った勢いからだったのだろう。だが、Aは答えられなかった。
考えたことがなかったからだ。
大好きな漫画の最終回がイメージできないように、Aも自分の死に際が想像できなかった。
しかし、今ならわかる。
『HAPPYENDだ』
「終わりました」、と現れた黒霧に笑みが零れた。
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葵(プロフ) - ヒロ子さん、お願いします続きを書いて下さいお願いします (4月13日 15時) (
レス) id: 49d8a27476 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - ヒロ子さん、調子でも悪いんですか？私は先週のそのまた先週の金から日曜まで熱を出しまして凄くだるいしきついしで苦労しました。後ヒロ子さん、狼煙の続きが気になって仕方ないのですが無理はしないで下さい(私が言えた者ではありませんが…)ではよろしくお願いします (6月17日 16時) (レス) id: 49d8a27476 (このIDを非表示/違反報告)
おはよ - めっちゃ面白くて前から見てます！！ 続き楽しみにしてます！ できる範囲で頑張ってくれたら嬉しいです (2023年3月22日 0時) (レス) @page30 id: d4f6705fb9 (このIDを非表示/違反報告)
No. 8 - 頑張ってください〜体調に気をつけて出きる範囲で投稿してくれたら嬉しいです❗ (2023年1月31日 18時) (レス) id: 5919bfebbf (このIDを非表示/違反報告)
ヒロ子(プロフ) - No.8さん» さ、さあなんのことですかネ〜:( ;˙꒳˙;):ありがとうございます😭🙏🙏なるべくたくさん更新できるように心掛けます🙏 (2023年1月29日 22時) (レス) id: 84d0737003 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒロ子 | 作成日時：2022年12月24日 19時
