No.63 砂糖のように甘く ページ26
『私にとって世界は小説と同じだ。誰かが考えたシナリオで進み、誰かが望んだストーリーに沿って終わる』
口をつむいだ担当は、Aを見つめる。
コーヒーに向かって角砂糖を放り投げる彼女の手は、歳の割には若々しく美しい……が、火傷跡が目立った。
『どんな映画にも終わりはある。当然だよなァ？ オープニングがあるからこそエンディングも存在してるんだ。人生も同じさ、何かを始めれば終わるタイミングも必ずくる。私の場合、それが今だったってことだ。まあもっとも、シナリオだと発売されたら勝手に失踪する予定だったんだがねェ、変更になった』
「しなりお？ しっそう？ へんこう？ ちょっと何言ってるのか……」
『なあなあ担当くんよ、君はさっき自分を「変なところで勘が働く人間」と言ったね。なら今働かせてくれよ、そしたら何か変わったかもしれない』
「え？ え、え？ えっ？？」
理解できない。
困惑し、脳を必死に回転させて苦しむ担当の顔に、Aはどこか満足気だった。
背もたれに頭を乗せて上を向く。
ステンドグラスに照らされて色がついた光が、Aの真っ赤な血塗れた瞳を照らす。
──この喫茶店とも長い付き合いになった。
『担当くんはさ、安い珈琲と高い珈琲どっちが好き？』
声色の安定した声が、担当の思考を止めた。
投げかけられた質問に首を傾げれば、Aが語る。
『私は高い珈琲が好き。昔飲んだここの珈琲があまりに美味しくて、当時店主だったお爺さんに理由を聞いたんだ。豆はお取り寄せの高級品、コーヒーミルはブランド物、仕込みも毎日夜遅くまでやってる。高かったけど来店する度必ず飲むほど大好きだったんだけど……今はあまり飲んでない』
「…………なぜ」
『安くなっちゃったから』
ボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボト………………
アンティークカップ、その中に無造作に角砂糖が捨てられた。
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葵(プロフ) - ヒロ子さん、お願いします続きを書いて下さいお願いします (4月13日 15時) (
レス) id: 49d8a27476 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - ヒロ子さん、調子でも悪いんですか？私は先週のそのまた先週の金から日曜まで熱を出しまして凄くだるいしきついしで苦労しました。後ヒロ子さん、狼煙の続きが気になって仕方ないのですが無理はしないで下さい(私が言えた者ではありませんが…)ではよろしくお願いします (6月17日 16時) (レス) id: 49d8a27476 (このIDを非表示/違反報告)
おはよ - めっちゃ面白くて前から見てます！！ 続き楽しみにしてます！ できる範囲で頑張ってくれたら嬉しいです (2023年3月22日 0時) (レス) @page30 id: d4f6705fb9 (このIDを非表示/違反報告)
No. 8 - 頑張ってください〜体調に気をつけて出きる範囲で投稿してくれたら嬉しいです❗ (2023年1月31日 18時) (レス) id: 5919bfebbf (このIDを非表示/違反報告)
ヒロ子(プロフ) - No.8さん» さ、さあなんのことですかネ〜:( ;˙꒳˙;):ありがとうございます😭🙏🙏なるべくたくさん更新できるように心掛けます🙏 (2023年1月29日 22時) (レス) id: 84d0737003 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒロ子 | 作成日時：2022年12月24日 19時
