No.57 看板に偽りあり ページ20
新たに仲間を加えた日から数日。
ようやく原稿を落としたAは、晴れやかな顔でドクターの元を訪れていた。
『相変わらず汚くて鼻が曲がりそうだねェ……衛生管理ちゃんとしてる？っててててててて』
「余計なお世話じゃのう。先生の部屋に比べたら綺麗なもんじゃ」
『おいおい人の部屋をゴミ屋敷みたいに言いやがって失礼な！ ただ原稿用紙とインクが乱雑してるだけさ』
「(あまり変わらない気もするがのう)」
『って思ったでしょ？ 本当に失礼だな』
乱暴に傷口をイジるドクターに悪体をつきながら、Aはご自慢の大きな目で周りを見渡した。
脳無の実験に使われた手術室だからか、血や肉があちらこちらに散らばっている。おまけに死臭で鼻は曲がりそうだ。
物陰から覗く見たこともない色をした液体や錆びて捨てられた器具は無視してやった。見ない方がいいこともある。
「まったく、何度も検診に来いと言っても来ないから心配しておったらこれじゃ、傷が悪化しとる。開きっぱなしじゃ。本来なら痛くてかなわんはずなんじゃがのう……ほれ見てみい」
鏡に映る自分の顔にAはへー、と興味なさげだ。
『なーんか……この顔も久しぶりだなァ……』
顔を変える個性を解除した姿は懐かしかった。
そっと傷に触れれば、オールマイトにやられた傷がグチャグチャと生々しく疼いた。
生まれて100数年経つが、あの日ほど死の危険を感じたことはなかった。
──私が勝つ！
『(アレ……痛かったなァ)』
自分の拳を逸らし、逆に顔面に向かって放たれたオールマイトの一撃の感触はまだ傷に残っていた。
痛い？ そんなものでは表しきれなかった。
左目の視力を失い、同時に頭のネジも失ったAは今でも思い出してしまう。
あの日……ドクッ……ドクッ……と唸る傷口と……吹き出す血液が……脳裏に染み付いて離れない。
『ねェ、ドクター』
「なんじゃ」
『…………』
どうやったら消えるかな？ これ。
喉まで出かけた言葉を飲み込むと、Aはいつものように笑った。
『なんでもない〜呼んでみただけ〜』
笑う度に疼き、喚く傷口をよそに、Aはまた偽りの顔を作った。
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葵(プロフ) - ヒロ子さん、お願いします続きを書いて下さいお願いします (4月13日 15時) (
レス) id: 49d8a27476 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - ヒロ子さん、調子でも悪いんですか？私は先週のそのまた先週の金から日曜まで熱を出しまして凄くだるいしきついしで苦労しました。後ヒロ子さん、狼煙の続きが気になって仕方ないのですが無理はしないで下さい(私が言えた者ではありませんが…)ではよろしくお願いします (6月17日 16時) (レス) id: 49d8a27476 (このIDを非表示/違反報告)
おはよ - めっちゃ面白くて前から見てます！！ 続き楽しみにしてます！ できる範囲で頑張ってくれたら嬉しいです (2023年3月22日 0時) (レス) @page30 id: d4f6705fb9 (このIDを非表示/違反報告)
No. 8 - 頑張ってください〜体調に気をつけて出きる範囲で投稿してくれたら嬉しいです❗ (2023年1月31日 18時) (レス) id: 5919bfebbf (このIDを非表示/違反報告)
ヒロ子(プロフ) - No.8さん» さ、さあなんのことですかネ〜:( ;˙꒳˙;):ありがとうございます😭🙏🙏なるべくたくさん更新できるように心掛けます🙏 (2023年1月29日 22時) (レス) id: 84d0737003 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒロ子 | 作成日時：2022年12月24日 19時
