蝋人形にしてやろうか!! ページ32
「ぐああああ!!!!」
「何やってんだてめェらァ!!! A!! 止めさせろ早く!!!」
『安心しろ、死にはしない』
「安心できるかァ!!!!」
「ぐァアアアアア!!!」
左手に走る激痛がブロギーの表情を歪ませ、悲鳴となってAの耳につんざいた。
“ゴムゴムのトンカチ”
と技名を叫んだルフィは、足を拘束する蝋の塊を利用して勢いをつけた自身の体を柱にぶつけた。
ルフィの活躍により、ガコォと音を立てて崩れゆく柱だったが、真上にて燃えながら回転する巨大なキャンドルがゾロ達に落下した。
「いやあああああ!!!!」
逃げる足すらないナミの悲鳴がこだまする。
もうダメだ、三人の心がひとつになった瞬間、カッコつけと称してポーズを決めていたゾロの刀が、キャンドルを受け止めた。
「やった！ ついでに足のやつも割れた！ ん？」
『あ？ 危ねェなお前ら、なんで逃げねェんだ。死んじまうぞ』
「「動けないのよっ!!!!」」
九死に一生を得たナミとビビは、ほっと胸を撫で下ろすとこの状況を理解していない阿呆な二人に声を荒らげた。
「本当にいいの!!? あの人達に命預けて」と心配のあまり涙を流すビビだったが、あることに気がつく。
「体がもう……全然動かない……!!」
いつの間にか、体が全然動かなくなっていた。
キャンドルが近づいたせいで固まる速さが加速したゾロ達三人とブロギーは、秒針が動く度に蝋人形へと一歩ずつ近づいていく。
「おい！ お前ら“ろう人形”になるのか!?」
『さっきからそう言ってんだろ。ルフィ、まずはあのキャンドルセットをぶっ壊せ。早くしねェとあいつらの等身大実物キャンドルが出来上がっちまう』
おう、と答えたルフィが拳を構えようとした瞬間、そうはさせまいとMr.3が攻撃に転じる。
多彩なドルドルの実は、拘束具やキャンドルタワーだけでなく武器なども作れてしまう。巨大な銛を生成したMr.3ほ攻撃はルフィを狙うが、Aの蹴りによって木っ端微塵に破壊される。
武装色をまとった蹴りには、さすがに鉄も敵わないらしい。
「“ゴムゴムの……バズーカ”!!!」
「“キャンドル
『壁か!!』
パンプキンキャンドルを狙ったルフィの技は、蝋の壁によって防がれた。
邪魔をするなと怒るルフィだったが、Mr.3が仕掛けたキャンドルロックという名の拘束に閃を見せ、左腕に蝋のトンカチを宿した。
「“ゴムゴムの……トンカチ”ィ!!!!」
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作者名：ヒロ子 | 作成日時：2022年9月22日 19時
