Mr.5死す！ デュエルスタンバイ ページ38
「もう任務をしくじるわけには……いかねェんだよ!!」
『きたねっ』
「なっ!?」
Aに向かって一直線に飛んできた鼻空想砲は、ナイフによって真っ2つに切り裂かれ、爆発する。
『おれには、ムカつくもんが三つある』
「くるな……」
『一つは、金よりも愛だの命だのを語る野郎』。
腰が抜け落ちたMr.5は、顔を青くして逃げようと地面を這いずる。
『一つは、おれの酒を飲んだクソ剣士』
「あ……ぃ……」
Mr.5の頭を掴んだAは、笑顔で言った。
『一つは、おれのことを舐めきった自爆野郎』
「ッツ────!!!」
グサッ……と、ナイフがMr.5を狙った。
刺さる、殺される、死ぬ。恐怖の3連コンボをキメたMr.5は、そのまま泡を吹きながら意識を落とした。
『もっとマシな奴を寄越せよ、クロコダイル』
Mr.5がもたれ掛かる後ろの大樹にナイフを突き刺したAは、心の奥底にあったわだかまりを吐き出すと背後から漂う熱に顔を顰めた。
燃え上がる炎、聞こえる悲鳴、溶ける蝋の臭いが交差する光景は、ウソップの作戦が成功したことを意味していた。
『命あって何よりだ』
“ロロノア”。
ふふっと笑うと、Aはこちらを睨むゾロに目を向けた。
『あーあーせっかく傷も癒えたってのに、また新しい怪我をこしらえやがったな。早く船医を見つけねェといけないな』
「……」
『なんだよ』
ガシッと肩を掴んできたゾロに、Aは首を傾げた。
顔中に火傷やかすり傷があるゾロの目は、Aの目を捉えて離さない。
「あとで聞きたいことがある。……一段落したら、ちょっと来い」
そう言い残したゾロは、Mr.3を倒したルフィの元へと小刻みに走った。
＊
場所は変わり、Mr.3の拠点にて。
はてさて、皆様はサンジというコックを覚えているだろうか。
今まで姿がなかった彼は、A達に起こった出来事など知らず、優雅に紅茶タイムを満喫していた。
「はっ!! ……オイちょっと待て……!! おれァ紅茶なんておしゃれに飲んでる場合じゃねェんじゃねェのか？」
3杯目の紅茶を味わっていたサンジは、ナミが自分に助けを求めているかもしれないということで、急いでドルドルハウスから出ようと扉を開けた。
プルプルプル──。
「なんだ？」
鳴り響いた電伝虫に首を傾げながらも、サンジは受話器を外した。
「へいまいど。こちら、クソレストラン……ご予約で？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 199人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ヒロ子 | 作成日時：2022年9月22日 19時
