“嘘つき”は神に祈る Ⅲ (ページ28)

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もぐな!!! ページ28

「ああ、そうだとも。何かご不満だったか？」

『おれはねェよ。……“おれ”はな』

　Mr.5の仕業であることを知り、ブチギレるルフィとウソップをAは見下ろした。
　一生懸命に抜け出そうともがくルフィに「ガンバレー」と心にもない言葉をAが口に出していると、武器を手に取ったビビがウソップとともに走る。

　狙いは勿論、Mr.5とミス・バレンタインだ。

『お前らやめとけ』

「孔雀(クジャッキー)スラッシャーーーーっ!!」

「くらえ、必殺!!! “火薬星(かやくぼし)”っ!!!」

『聞けよ』

　ウソップから放たれた爆薬は、勢いよくMr.5へと直撃する。灰色の煙がMr.5の体を取り囲み、ウソップに勝利を確信させたが、ルフィにやられたとしても、そう例え腐っても、腐りきって腐敗しても幹部クラスの男だ。

「!!?」

「“鼻空想砲(ノーズファンシーキャノン)”っ!!!!」

『まあ、そうなるよな』

　鼻くそという名の爆弾の威力を浴びたウソップは、膝から崩れ落ちる。

「キャハハハ、お気の毒!!」

　そこへ追い打ちをかけたバレンタインは、一万キロという自身の体重を武器にウソップへと襲いかかる。大型トラック一台分の重さが、ウソップを地面へと埋め込んだ。

『だから言ったんだ。お前らじゃ、こいつらには敵わないって』

　Mr.5の華麗な技によって意図も容易く捕まってしまったビビを横目に、Aはため息をついた。
　さすがに王女様を殺されては困るので、助けようという気持ち程度にピストルに弾を込めるAをMr.5は止めた。

「そうカッカするな。おれ達ァ、まだお前らを殺しゃしねェよ……!!」

『まだってことは時期に殺すってことだろ？そりゃ困るぜ、おれはその王女様を命に変えても守らなきゃならないんだ。もちろん、あんたの命を奪ってもな』

「あァ、悪かったな。言葉を間違えたみてェだ……」

　そう言うと、Mr.5はAを指さす。

「あんたは殺さねェ、ボスからの命令だ。四肢をもぎとってでもあんただけは生きて連れてこいとのことらしい」

『そこの長鼻よりも王女様の命が大切って話、聞いてた？つーかなんだその命令』

「Mr.3に言われてな……さらいに来ただけだ。あんたは一段落したあと、四肢を使い物にならなくし、手土産としてボスの元へ連れてってやるよ」

『別に四肢もがなくてもいいだろ!!』

　四肢をもぐ気満々なMr.5は、ルフィの元へ歩み寄ると、爆発を繰り返す蹴りを食らわせた。