最終話 ページ15
「あの、追い払ってくれてありがとう。多分だけど、もう私につきまとうのはやめた……と思う」
「……おん」
「それでね、あの……」
握る手に汗をかいてることに気付いて手を離す。一瞬名残惜しそうに私の手を追いかけるシャオくんの手が戻された。
多分、言うのは簡単だ。好きですって、たった一言言えば良い。付き合ってくれるかどうかは分からないけど、この気持ちに決着をつけることは出来る。
私は依頼相手であって、友達でもクラスメイトでもない。恋多きサキュバスは、遊び相手にはちょうど良いけど恋愛をするには向かないって誰かが言ってた気がする。
恋人のフリが終われば、私たちはただ学年が同じの同級生になるんだ。もしかしたら友達くらいにはなれるかも知れない。でも、ここで告白したらきっとそれも叶わない。
「……依頼、受けてくれてありがとう。また変な人に付きまとわれたらお願いするね」
そう言って、笑った。きっとこれで良い。
私だけが傷付く。それで。
「……やっぱさ、こういうのあかんわ」
「え……？」
突然シャオくんがそう言う。手を掴んで引き寄せられ、少し離れていた距離が縮まった。
「別れよ。……っていうのも変やけどさ。一回別れて、そんで、今度はちゃんと付き合わん？」
「でも、でも……シャオくんは、」
「俺、Aの運命の相手なんて崇高なモンじゃないけどさ！Aの運命の相手よりももっとずっと強い悪魔になるし、Aのこと傷付けんように頑張る。運命の相手なんておるかわからんような奴より、お前のこと大事にする俺と、付き合ってや」
私のことをじっと見つけてくるその顔を見てると、何故か涙が込み上げてきて。そう言えば、まともに顔を見たの、久しぶりだなぁなんて考えて。
「……私、私も、シャオくんのこと……！」
好きだよ、って続けようとしたその言葉は、彼の唇によって塞がれた。
「別にええけどさ、それ校門前でやる必要あった？」
「え゛っ！？ろ、ロボロなんでお前ここにおんねん！」
「帰る途中やったのにお前らが突然始めるのが悪いんやろ！周り見ろや！みんな横通って良いのかどうかわからんくて立ち往生しとるやろ！！！」
顔が真っ赤になったのを感じた。
「あ、あの、ご、ごめんね……」
「みんな見とる前で付き合う宣言したし、これはもう別れられへんな。……まぁ元々フリでは済まさん予定やったけど」
そう言って笑うシャオくんに、また胸がときめいた。
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うほほ☆ - シャオさんカッコよすぎません？…めっちゃきゅんきゅんしました…神作品ありがとうございます。これからも応援してます！ (2021年5月22日 14時) (
レス) id: bae26ed64c (このIDを非表示/違反報告)
(^O^) - ﾅｱ↑んでそう言うのかけんの？! (2021年5月22日 6時) (レス) id: 54e5655bfa (このIDを非表示/違反報告)
エリン(プロフ) - あああああー！心がキュンキュンするんじゃぁー (2021年3月22日 19時) (レス) id: 8bb69cd5b7 (このIDを非表示/違反報告)
Rin - 悶え死にましたわ... (2021年3月11日 21時) (レス) id: ee43a6ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
白夜（ハクグン）(プロフ) - はぇーキュンキュンするんじゃぁ…サキュバスちゃんかわええ…やっぱランドルせさん神だったりしません？？終始楽しく読ませていただきました。素敵な作品ありがとうございました、これからも応援させてください！！ (2021年3月7日 13時) (レス) id: d2ad143a92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ランドルせ
| 作成日時：2021年2月25日 13時
