１３ ページ14
名前もないモブ出ます
−−−−−
−シャオロン視点−
Aと一緒に登校している時、我々師団の部屋にいる時、俺が飯を食っている時、一緒に下校している時。ふと気付けば、見られている感じがした。
最初は気のせいかとも思ったけれど、きっとこれがAのことを付け狙う奴なんだと思う。
「男なら堂々と来いや……」
「ごめんねシャオくん……」
「別に、ええよ。そう言う依頼やし」
Aもその視線に気付いているみたいで、少し怖がっている様子で俺の袖を掴んでいた。
「とりあえず、行こか」
そう言って彼女の手を握りずっと俺らのことを見てる奴の傍まで行く。見た目は学校デビューしたような奴で、一時期見た目で迷走してた俺みたいなやつだった。
「な、なんだよ」
「お前か、Aに粉振りかける男って言うのは」
「シャオくん、振りかけちゃだめだよ。かけるんだよ」
「……粉かけてるのはお前か！」
目の前の悪魔は一瞬たじろいだが、俺をきっと睨みつけ、そして大声で威嚇してきた。
「どうせお前だってその悪魔の身体目当てだろ！恋愛経験のないサキュバスなんてレアな悪魔の身体なんて、さぞ絞り取られたんだろうな？」
下品なことを揶揄してくるような言葉に眉を顰める。しかしそんな俺に気付いていないのか下卑た顔で男は言った。
「なぁ、一晩で良いから俺にもその女貸してくれよ。レア度は下がっただろうが、まだお前しか知らないなら十分ハジメテに近いだろ？ほら、同じベト同士さぁ」
俺はぐっと拳を握り、Aと繋いでいた手を離し男に近寄る。ソイツは一瞬止まって後ずさろうとしたが気にせず握り拳を思い切り振りかぶって、
ゴンッ！と大きな音をたてて壁に硬いものがぶつかる音がした。頭蓋骨と壁がぶつかるとこんな音がするんだな、とどこか他人事のように考える。
「な、な…………、」
「二度とAに近寄んじゃねぇぞばぁぁか！！せめて俺を超えるランクになってから来いや！言っとくけど、俺はすぐにギメルになったるし、お前がギメルになる頃にはダレスになったるからな！」
そう言い捨てて、Aの手を握って歩き出す。この世界は弱肉強食だ。俺に勝てないんだから俺の言うことを聞くのは当然やろ。……まぁ勝負なんてしてへんけど。
「シャオくん」
そう呼び止められて、足を止めた。後ろを振り返ればAが今までにない真剣な顔でこちらを見ていて。
そういえば、依頼は完了したな、って思った。
−−−−−
次回最終話
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 711人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うほほ☆ - シャオさんカッコよすぎません？…めっちゃきゅんきゅんしました…神作品ありがとうございます。これからも応援してます！ (2021年5月22日 14時) (
レス) id: bae26ed64c (このIDを非表示/違反報告)
(^O^) - ﾅｱ↑んでそう言うのかけんの？! (2021年5月22日 6時) (レス) id: 54e5655bfa (このIDを非表示/違反報告)
エリン(プロフ) - あああああー！心がキュンキュンするんじゃぁー (2021年3月22日 19時) (レス) id: 8bb69cd5b7 (このIDを非表示/違反報告)
Rin - 悶え死にましたわ... (2021年3月11日 21時) (レス) id: ee43a6ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
白夜（ハクグン）(プロフ) - はぇーキュンキュンするんじゃぁ…サキュバスちゃんかわええ…やっぱランドルせさん神だったりしません？？終始楽しく読ませていただきました。素敵な作品ありがとうございました、これからも応援させてください！！ (2021年3月7日 13時) (レス) id: d2ad143a92 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ランドルせ
| 作成日時：2021年2月25日 13時
