１１ ページ12
名前もない女モブが出てきます。
−−−−−
シャオくんといつものように登校し、昼休みの迎えを待っていた時のことだ。どうやら直前の授業を居眠りしてしまったのか、『ちょっとまってて』という連絡が入ってきている。
別に私は食事を必要とはしないから別に良いのに、とは思わなくもないが、お昼休みにシャオくんと喋るのが楽しいからなんとなくこの時間を楽しみにしている私もいる。
「ねぇ、ちょっと良い？」
そう思いながら教室で待っていれば、知らない女生徒に話しかけられる。
「……なんです？」
「シャオロンくんと付き合ってるのってアンタでしょ？」
一瞬頷くのを躊躇ってしまったが頷く。来週にはどうなっているかはわからないが、今は確かに付き合っているのだから間違いではない。
女生徒は私を胡散臭そうに上から下まで見て、鼻で笑う。
「どうせその身体でシャオロンくんを誑かしたんだろうけど、恋愛経験一切ないとかいうアンタが本気でシャオロンくんと付き合えてると思ってるの？物珍しさとアンタの身体でしか戦えないんだから大人しく引っ込んでなさいよ」
……一瞬何を言われたのかわからなかったけれど、噛み砕いて脳味噌で考えてみる。
「……えーと、つまり、別れろって言ってます？」
「頭悪いの？」
どうやら合ってるみたいだ。まだ何かを言っているその悪魔に見えない位置でこっそり指を回し、彼女の感情を吸い取ってみる。ちょっとカラい怒りの感情に、私に抱いている軽蔑の感情の奥底に、うっすらと甘い味がする。多分これが、この悪魔がシャオくんに抱いている感情だ。
甘くて、砂糖菓子みたい。
でも、もっともっと甘くて……、喉が痛くなるくらい、むせ返るほど甘い感情を、私は知ってる
「……聞いてるの！？」
「うーん……、無理かな」
「は、」
「だって、多分あなたが考えてるよりもっともっとずっと、私の方がシャオくんのこと好きだよ」
……たぶんね、という言葉は言わないでおいた。
女悪魔の顔は赤くなって、あからさまに怒っていて。どうしようかな、と思った次の瞬間だった。
「お前みたいな女、シャオちゃんが一番嫌いやと思うで」
そんな声が後ろから聞こえた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 711人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うほほ☆ - シャオさんカッコよすぎません？…めっちゃきゅんきゅんしました…神作品ありがとうございます。これからも応援してます！ (2021年5月22日 14時) (
レス) id: bae26ed64c (このIDを非表示/違反報告)
(^O^) - ﾅｱ↑んでそう言うのかけんの？! (2021年5月22日 6時) (レス) id: 54e5655bfa (このIDを非表示/違反報告)
エリン(プロフ) - あああああー！心がキュンキュンするんじゃぁー (2021年3月22日 19時) (レス) id: 8bb69cd5b7 (このIDを非表示/違反報告)
Rin - 悶え死にましたわ... (2021年3月11日 21時) (レス) id: ee43a6ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
白夜（ハクグン）(プロフ) - はぇーキュンキュンするんじゃぁ…サキュバスちゃんかわええ…やっぱランドルせさん神だったりしません？？終始楽しく読ませていただきました。素敵な作品ありがとうございました、これからも応援させてください！！ (2021年3月7日 13時) (レス) id: d2ad143a92 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ランドルせ
| 作成日時：2021年2月25日 13時
