黒電話 × 登坂広臣 (ページ4)

今日:2 hit、昨日:22 hit、合計:381,254 hit

× 04 ページ4

.

.

.

俺はその日も飛び起き、額に滲んだ汗を袖で拭いた。

背中も汗でびっしょりと濡れていたのを感じた。

___ リリリリリン ♪

ふいに俺の携帯が鳴った。

俺の着信音は着メロも着うたも設定しておらず、
『黒電話』という昔ながらの音が鳴るようにしていた。

携帯なのにレトロな音が鳴るというのが
妙に俺の中で気に入っていた。

Aにはそれをネタによくバカにされていた。

俺らはそんな仲だった。

朝から誰なんだ？

携帯のディスプレイを見た。

'' 田中A ''

俺は自分の目を疑った。

臣「なんでだよ … っ」

Aは一週間前に死んだはずだ。

それに彼女の葬式にも出た。

そして遺影の写真は間違いなくAの顔だった。

.

.

.