黒電話 × 登坂広臣 (ページ20)

今日:3 hit、昨日:22 hit、合計:381,255 hit

× 20 ページ20

.

.

.

次の授業が始まり、先生の声が聞こえた。

それでも俺の耳には内容は全く入っていない。

Aの声以外、受け付けない耳に
なっちまったと思うと少し笑えた。

直人「それじゃあ問4をー・・・登坂！」

臣「は … 」

気付くと、担任の直人先生が俺の方を見ていた。

黒板には数字がたくさん書いてある。

どうやら今の時間は数学だったらしい。

俺は教科書もノートすら準備していなかったため、
急いで机の中から探し出した。

直人「おい登坂？どうした？」

問4といえば、確か昨日Aが
俺に間違ってると言っていた問題だ。

でも言われてから一度もノートを開いていない為、
間違いを直してないままだった。

俺は慌ててノートを開き、問4を見た。

そして・・・

俺はそこから目を離せなかった。

直人「登坂？分かんないなら
分かんないってちゃんと言えよ？」

臣「え … あ … x=2 です。」

直人「おいおい、何だよ。
分かるならさっさと答えなさい。正解だ。」

俺は自分の書いた答えを読み上げた。

'' 問4が間違ってたのは本当だよ ''

俺は問題が正解した今でも
自分のノートから目が離せないでいた。

Aのあの言葉の意味がようやく分かった。

　

.

.

.