黒電話 × 登坂広臣 (ページ11)

今日:8 hit、昨日:0 hit、合計:381,238 hit

× 11 ページ11

.

.

.

学校に着いてすぐ。

　

隆二「あ、臣！遅い！遅すぎんだろ！」

友達の隆二が挨拶も無しに話し掛けてくる。

多分これが隆二なりの挨拶なのだろう。

臣「朝からうっせーな (笑)隆二おはよ。」

俺は短く返事をし、自分の席へ着いた。

そこから見えるAの席に目をやった。

当然、そこに座るものは誰もいない。

Aが死んでから一週間はとっくに過ぎていたからか
机の上に飾られていた花瓶の花はもう無かった。

隆二「 Aとお前仲良かったもんな・・・。」

俺の様子に気付いた隆二が
心配そうな目で俺の肩を叩いた。

隆二には俺とAが携帯で話せる事を言うべきか。

… まあ、言ったところでって話だけど。

臣「大丈夫だよ。Aはここにいるからさ」

俺はそう答えた。

隆二「はは！そうだな！
Aはずっとお前の中にいるんだよな！」

いや … そういう意味じゃなくて …
と思いながらも俺はそれ以上言うのをやめた。

Aはどんな気持ちで今の俺らを見ているだろう。

きっといつも通りにクスクスと笑っているに違いない。

.

.

.