【wrwrd!】人形の夢 (ページ7)

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第四幕ページ7

今回、彼女が歌うのはとある時代のとある国の絶世の美女が民衆を巻き込み謎解き対決をするいう作品だ。俺達は満席の席を眺めながら席についた。

「すごいなぁ」
「そりゃあそうだろう、有名とはいえ、
彼女のオペラ公演は激レアだ。
父親のコルぺはあまり表に出したくないそうだ」
「それに今回のオペラ自体が有名やから、
それ目当てで来てる客も多いめう～」

そう話していると開演を合図する音が鳴り、
会場がシン、と静まる。
ゆっくりとカーテンが開かれ、
中央にライトがパッと集まり、そして、

＿＿照らされた先にいた人物に、
その場にいた誰もが息を飲んだ。

腰まで伸びた髪はまるで星のような銀色で
ライトの光を反射しキラキラと輝き、
陶器のように白い肌は赤いドレスのおかげで
より一層引き立てられている。
頬はほんのりの赤く染まり、
睫毛も髪と同じで星のように煌いていた。

「綺麗や・・」

そう声に出すとグル氏とオスマンがニヤッと笑った
気がしたがそんな事どうでもええ。
ステージの上で縦横無尽に動き、
高らかに歌うその姿に目が釘付けになった。
目が見えないはずやのに軽やかに動く姿を、
本来の目的を忘れ、今だけ、
ただ純粋に彼女を見ていたいと思った。

そう思っていたらいつの間にかオペラは終わっていた。
＊＊＊＊
「凄かっためう～！」
「ああ。ステージ一つ一つの構成も素晴らしかった！
いかに彼女を引き立てるかを考えて作られていたようだな」
「・・・」
「まあそんな考えに釣られ、
骨抜きにされた奴もいるがな。なあトン氏？」
tn「はぇっ！？い、いやだなぁ～グルさん！
そんなことねえっすよ～！」
「・・ほぉー、俺達が声掛けんかったら
席から動かんかったくせにぃ～？」
「お、オスマンまで・・！
も、もうええから仕事！仕事しよか！？」

逃げるな～！なんて言葉は聞こえなかったことにしとこう。
＊＊＊＊
「A！今日の公演は大成功だ！！
各国の著名人のみならず、首相からも好評だったぞ！」
「そうですか・・、良かった」
「ああ！流石"私の"娘だ、本当に素晴らしかった！
この調子で次の公演も頼んだぞ？」
「・・・」

『ぐああっ！』
『な、何者だ！ここは関係者以外は・・！』
『あーそういうのええんよ、
"大人しくここで待ってて"な？』

「外が騒がしいぞ・・、一体何が」

「どうも、コルぺ・アルバーノ殿。
我々は怪しい者ではありません。

＿＿貴方のファンの一人でサインを頂きに来たのです」