オマケ秘話��ー2 ページ39
｢うん、大丈夫だった。｣
Aは自身に添えられた彼の手をそっと撫でた。
｢お腹に赤ちゃんがいるって。実弥と私の子が。｣
実｢…はァ……？｣
先程のA同様、実弥は固まった。だが、次の瞬間には彼女をギュッと抱き締めていた。
実｢ぜッてぇ…良いお父ちゃんになるからなァ…｣
声は少し掠れて、震えている。
彼の嬉し涙が、Aの着物に温かく染み入った。
━━━
Aが妊娠した、という知らせは瞬く間に広まり、元鬼殺隊の面々からは数多の祝いの手紙が届いた。
｢嬉しいわね…｣
彼女は縁側に腰掛け、少し大きくなったお腹を撫でながら、大事に手紙を読んでいる。実弥はAの華奢な腰に腕を回し、真剣に文面を見詰めていた。
意外にも達筆な炭治郎の手紙からは、自分の事のように喜ぶ様子が伝わってくる。堅苦しい文字の愼寿郎の手紙には、涙が滲んだ跡があった。
実｢皆にも、早く見せてやりてェな｣
2人を包む日差しはとても朗らか。
春の陽気が漂っていた。
━━━
時というのはとても早く過ぎる。
気付けば、もう夏。
茹だるような暑さの中、蝶屋敷では元気な産声が上がった。
助｢Aさん！産まれました！女の子ですよ！！｣
助産師は嬉しそうに赤子を取り上げると、その母であるAにそっと手渡した。
｢…はじめまして…なんて可愛いの…｣
汗だくになった彼女の目からは、ポロポロと涙が零れている。お産をずーっと見守っていた実弥も、ほっとしたように涙を流した。
そう。彼は、懸命に力む妻の手を始終握っていたのだ。時折、励ましの言葉を掛けながら。
実｢…っ、本当に…可愛いなァ｣
そして、今度は妻子を優しく抱き締める。
実｢産まれてきてくれて有難うなぁ…産んでくれて有難うなぁ…A…｣
｢こちらこそ、父親になってくれてありがとう…実弥さん…｣
幸せになりましょうね。3人で。
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韓国海苔ごはん(プロフ) - さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き)さん» ありがとうございます！それとご指摘ありがとうございます。ほんっと困るくらい見落としが多いのでとても助かります…しかも槇寿郎さんが好きとはなんと渋い！！ (2021年4月5日 10時) (
レス) id: 23bf08a048 (このIDを非表示/違反報告)
さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き) - 完結おめでとうございます！とても良いお話だったと思います(*^_^*)・・・それと すいません、あとがきの所の槇寿郎さんの名前の(槇)の字が(槙)になってます・・・ (2021年4月4日 15時) (レス) id: c50ca7ded5 (このIDを非表示/違反報告)
韓国海苔ごはん(プロフ) - 浅葱さん» ありがとうございます！ (2021年2月6日 9時) (レス) id: 23bf08a048 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 続編移行おめでとうございます！これからも頑張ってください！ (2021年2月5日 21時) (レス) id: 11ffe6e997 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：韓国海苔ごはん | 作成日時：2021年2月5日 21時
