オマケ秘話�� ページ38
〈家族が増えた日〉
結婚後、ある日の朝のこと。
Aと実弥は一緒の寝室で、互いの敷布団を仲睦まじげにくっ付けて寝ている。
実｢……ん、｣
実弥が目覚め、体を起こした。ちょっと眠そうに目を擦っている。普段ならAも起きる頃なのだが…彼女はピクリともしない。
実｢…はよ、A｣
そう言って彼女の頭を撫でるが、返ってきたのは気力の無い呻き声だった。
具合でも悪いのだろうか、実弥の中で一気に不安が広がった。
｢……ちょっ、と、気分が悪いの…｣
Aは力無く体を起こそうとする。
が、次の瞬間。
｢うっ…！！｣
苦しそうに口元を抑えた。
実｢どうした？吐き気すんのかァ？｣
実弥は彼女の体をガッチリと抱え、顔を覗いた。
ぐったりとした彼女の顔は真っ青だ。
｢気分が悪くて…だるくて、眠くて…お腹が痛いの…｣
Aは自身の下腹部を摩っている。
かなり辛そうだ。その姿に、彼の胸もきつくきつく締め付けられていた。
何かヤバい、直感が警鐘を鳴らした。
━━━
場所は変わり、ここは蝶屋敷。
Aは診察台に寝かされ、その前にはアオイが座っている。実弥は診察室の外で待っている為、この部屋に2人っきりでいる形だ。
ア｢吐き気、倦怠感…それと下腹部の痛みですね。｣
アオイの凛とした声が響く。
Aはしんどそうに頷いた。
ア｢つかぬ事をお聞きしますが、前に月のものが来たのはいつですか？｣
月のもの…それは毎月一度は訪れる厄介者だが、Aはその存在をすっかり忘れていた。
と、いうことは…
ア｢少なくとも、先月は来ていませんね？｣
｢そうね…｣
この返答を受け、アオイは顎に手を当てた。
最近、息切れはありましたか？月のものとは別の出血は？胸の張り、痛みは？こんな感じの質問を幾つかAに投げかけ、その反応を見て、彼女は何か確信した表情になった。
ア｢Aさん…おめでとうございます。"ご懐妊"です。｣
ー？
Aの思考が一瞬止まった。そしてゆっくりと動き出し、状況を飲み込む。
｢え、ほ、本当に？｣
ア｢はい、本当です。｣
いつも険しい表情をしているアオイだが、今だけは嬉しそうに微笑んだ。
その後、妊婦としての注意点、食事管理等の説明を彼女からひとしきり受けた。Aはお礼を言って診察室を後にする。
実｢…大丈夫なのか？｣
廊下で待っていた実弥は心配そうに眉尻を下げ、恐る恐る尋ねた。
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韓国海苔ごはん(プロフ) - さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き)さん» ありがとうございます！それとご指摘ありがとうございます。ほんっと困るくらい見落としが多いのでとても助かります…しかも槇寿郎さんが好きとはなんと渋い！！ (2021年4月5日 10時) (
レス) id: 23bf08a048 (このIDを非表示/違反報告)
さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き) - 完結おめでとうございます！とても良いお話だったと思います(*^_^*)・・・それと すいません、あとがきの所の槇寿郎さんの名前の(槇)の字が(槙)になってます・・・ (2021年4月4日 15時) (レス) id: c50ca7ded5 (このIDを非表示/違反報告)
韓国海苔ごはん(プロフ) - 浅葱さん» ありがとうございます！ (2021年2月6日 9時) (レス) id: 23bf08a048 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 続編移行おめでとうございます！これからも頑張ってください！ (2021年2月5日 21時) (レス) id: 11ffe6e997 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：韓国海苔ごはん | 作成日時：2021年2月5日 21時
