オマケ秘話�◆�2 ページ37
会いたくても、もう会えない。
いくら懇願しても、それは虚空に消えるだけ。
行き場の無い想いは、こうして涙と一緒に流す他無いのだ。あとは月日の流れに身を任せるのみ。
蜜｢うぅ…Aちゃん…｣
｢ｸﾞｽｯ、蜜璃…｣
そんな辛い中でも、幸いな事が1つ。
こうやって悲しみを共有出来る人がいるのは、大層心強いものだった。
━━━
2人が大分落ち着いてきた頃。
シトシトと降っていた雨も止み、スカイブルーのペンキを塗りたくったような快晴に変わった。
蜜｢目的を達成した途端、全てが変わってしまったわ。…いいえ、その前からずっとずっとね…失くしたものが多過ぎたのね。｣
これからやって行けるのかしら、2人は項垂れた。
その時だ。
ふと、縁側から一筋の陽光が射した。
それはまるで天使の通り道かと思ってしまう程美しく、幻想的。されど、炎のような情熱も感じられた。
｢綺麗ね…｣
蜜｢Aちゃん！見て！｣
彼女の指差す先には、1匹の蝶々。光の道筋を辿って
入ってきたのだ。それは飾ってある花には目もくれず、以前のしのぶの席に置かれたティーカップに真っ直ぐ向かってくる。
ちょん、とそこに止まり、羽を優雅に動かした。
｢ねぇ蜜璃、この蝶々の柄…｣
蜜｢そんな、嘘でしょ…｣
そう、その蝶々の羽の模様は…"何処かで見た羽織と全く同じ柄"だったのだ。
蝶々は再び舞い上がり、呆気に取られた2人の周りをヒラヒラと飛んでいる。
ー 前に進んでください
そう囁くように。
光の筋もやがて部屋全体を照らし、2人をも包み込んでいる。それはそれは暖かく、優しく。
蜜｢私達、励ましてもらってるみたいね！｣
彼女は心の底から笑っているようだ。
｢うん、そうみたい。｣
Aも安心したように微笑む。
その表情を向けられた蜜璃は、不覚にもキュンキュンしてしまった。これがこの人の性だけど。
蜜｢よぉーっし、元気が出てきたわ！！｣
彼女は勢いよくグーンと伸びをし、腰に手を当てた。
通常運転の甘露寺蜜璃に戻ったらしい。
｢私も頑張れそう！｣
2人は顔を見合わせ、ニッと笑った。
そしてその後は、いつもの通り、甘味をお供に恋バナをキャッキャと嗜んだそうな。
今日は梅雨にも関わらず、珍しく晴れた日。
そんな日のちょっと不思議なお話でした。
オマケ秘話�� 2人だけの女子会 fin.
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韓国海苔ごはん(プロフ) - さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き)さん» ありがとうございます！それとご指摘ありがとうございます。ほんっと困るくらい見落としが多いのでとても助かります…しかも槇寿郎さんが好きとはなんと渋い！！ (2021年4月5日 10時) (
レス) id: 23bf08a048 (このIDを非表示/違反報告)
さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き) - 完結おめでとうございます！とても良いお話だったと思います(*^_^*)・・・それと すいません、あとがきの所の槇寿郎さんの名前の(槇)の字が(槙)になってます・・・ (2021年4月4日 15時) (レス) id: c50ca7ded5 (このIDを非表示/違反報告)
韓国海苔ごはん(プロフ) - 浅葱さん» ありがとうございます！ (2021年2月6日 9時) (レス) id: 23bf08a048 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 続編移行おめでとうございます！これからも頑張ってください！ (2021年2月5日 21時) (レス) id: 11ffe6e997 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：韓国海苔ごはん | 作成日時：2021年2月5日 21時
