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48話、煙が目にしみる ページ4

合同強化訓練が終了して数日経った頃。
実弥は近所の商店街を宛も無くふらついている。
勿論1人。あの日からAとは会っていなかった。

自分の誕生日に彼女と入った甘味亭の前を通り掛かれば、幸せな思い出が蘇る。

だが。

ーそれでも柱か?兄なのか?

この前、彼女に叱られたことも同時に思い出してしまう。鬼を相手にしたような鋭い目、空間をピリピリと震わす程の怒りと圧迫感。今までそんなAの姿を見たことが無かった。


実「はぁー、クソッ」

彼女の言っていたことは紛うことなき正論。それに弟の玄弥の傷を更にえぐってしまった。己の中にどうしようもない嫌悪感が渦巻く。

と、何か気配を感じ、実弥は前方に視線を移した。



海「おー、不死川じゃねェか。」

そこにいたのは海斗だった。

実「ンだよ、俺をからかいに来たのかァ?」

海「そこまで俺も鬼じゃねぇわ。…なァ不死川、お前色々思う事あんだろ?けどよ、反省すりゃァ良いんだ。後悔して引きずってんじゃねぇよ。」

実「天野…」

海「確かに、お前のしたことは柱として恥ずべき行為。それはお前がよーく分かってるだろうし、さぞ反省しただろうよォ。けど俺が言いてぇのは、そんなしょーもない事を姉貴とお前の仲を引き裂く要因にはしないで欲しいっつー事だ。姉貴はお前を大切に想ってる。"俺には向けない感情"でだ。あいつだって、お前に強く当たったことを悔いてやがる。まァだから、きっちり話つけろよな。」


それだけ言い残すと、彼は行ってしまった。



実「……イカレ野郎が」

実弥は海斗の後ろ姿を呆然と見ていた。短く刈られた彼の黒髪が風に揺れている。


はっと我に返り、保湿くりぃむを懐から取り出し、それを手塗り込んだ。鼻をくすぐる柚の良い香りと、脳裏に浮かぶ彼女の笑顔。



実「きっちり話をつける、か」

いつもは煙たいとしか思わない海斗だが、今日は珍しく彼の言葉がすんなりと腹に落ちた。

49話、風が導いた先に→←47話、一悶着あり、その後



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設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥 , 煉獄杏寿郎   
作品ジャンル:恋愛
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韓国海苔ごはん(プロフ) - さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き)さん» ありがとうございます!それとご指摘ありがとうございます。ほんっと困るくらい見落としが多いのでとても助かります…しかも槇寿郎さんが好きとはなんと渋い!! (2021年4月5日 10時) (レス) id: 23bf08a048 (このIDを非表示/違反報告)
さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き) - 完結おめでとうございます!とても良いお話だったと思います(*^_^*)・・・それと すいません、あとがきの所の槇寿郎さんの名前の(槇)の字が(槙)になってます・・・ (2021年4月4日 15時) (レス) id: c50ca7ded5 (このIDを非表示/違反報告)
韓国海苔ごはん(プロフ) - 浅葱さん» ありがとうございます! (2021年2月6日 9時) (レス) id: 23bf08a048 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 続編移行おめでとうございます!これからも頑張ってください! (2021年2月5日 21時) (レス) id: 11ffe6e997 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:韓国海苔ごはん | 作成日時:2021年2月5日 21時

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