47話、一悶着あり、その後 ページ3
ある日の稽古終わり。風柱邸にて。
天「わーったよ!もうそんなにしょぼくれんなっつーの!」
蓮「お前がここまでになるとは!相当だな」
お猪口を振り回して騒ぐ天元、その隣で腕を組んでいる蓮、そんな彼らに励まされているのは…この前Aに一喝された実弥だ。彼は一升瓶片手に、しょぼんと項垂れていた。
匠「Aは怒らせると怖いからねぇ。ショックだよな。」
匠も、実弥の肩をポンポンと優しく叩いている。
というか、どこにでも居るなこの人。しかも蓮まで来ている。元帥2人に柱2人。蓮に至っては最年長。傍から見れば怖くて近付けない面子だ。
実「あ゛ー、ぜってェ嫌われた。もう、はい。」
ショックが過ぎたのか、語彙力が消えている。
天「あれだ、AはAで、なんで私あんな風に強く言っちゃったのかしら〜って感じで凹んでんだろうよ。お前ら似てるよな、マジで。」
蓮「ああ、それ有り得るな。」
匠「えー、絶対今頃そうだよ。でもさ、Aは不死川の上司として、その場で適切に注意をしたまでよ?お前の他にも阿呆みたいな態度とってあいつに大目玉食らった隊士なんて死ぬ程見てるし。」
蓮「その通り!彼女は振る舞いや礼儀については人一倍厳しい。お前を嫌った訳では無いさ。」
匠も蓮も、問題なし!と言わんばかりにニカッと笑った。天元は親指を立ててウィンクしている。
実「そうだと良いですがねェ…」
実弥は溜息混じりに言うと、一升瓶に口付け、乱暴に酒を流し込んだ。
━━━
一方その頃。
「あー…私、強く言い過ぎた。手刀まであてがう必要があったかしら…」
天元の言う通り、AはAで食堂の机に突っ伏していた。
海「姉貴は正しいと思う。多分、そこまでしなかったら不死川の奴ァ冷静になってねェ。あいつも今頃反省してんだろ。まぁ、今は好きなもん食えよ。奢りだし。」
「海斗、ありがとうね。」
彼女は寂しそうに笑い、気分は進まないが目の前のヒレカツ定食を食べるべく箸を取ろうとする。
が、その手は海斗の手によって包まれた。前はもっと幼かったのに、いつの間にか頼もしくなった彼の手。
海「俺は…その、姉貴の味方だァ。いつでも。」
入隊当初はAと同じくらいの背丈だったが、今や大男。
彼女は成長を嬉しく思うと共に、彼が1人の"男"になっていくのを感じる。
「ありがとう、頼もしくなったわね…」
Aが感心するように呟くと、彼は恥ずかしそうに頬を搔いた。
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韓国海苔ごはん(プロフ) - さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き)さん» ありがとうございます!それとご指摘ありがとうございます。ほんっと困るくらい見落としが多いのでとても助かります…しかも槇寿郎さんが好きとはなんと渋い!! (2021年4月5日 10時) (レス) id: 23bf08a048 (このIDを非表示/違反報告)
さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き) - 完結おめでとうございます!とても良いお話だったと思います(*^_^*)・・・それと すいません、あとがきの所の槇寿郎さんの名前の(槇)の字が(槙)になってます・・・ (2021年4月4日 15時) (レス) id: c50ca7ded5 (このIDを非表示/違反報告)
韓国海苔ごはん(プロフ) - 浅葱さん» ありがとうございます! (2021年2月6日 9時) (レス) id: 23bf08a048 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 続編移行おめでとうございます!これからも頑張ってください! (2021年2月5日 21時) (レス) id: 11ffe6e997 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:韓国海苔ごはん | 作成日時:2021年2月5日 21時