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62話、兄ちゃん ページ20

ーうわああああああ!!


辺りには、実弥の悲痛な叫びが響いた。
戦いを終えた彼が見つけたのは…真っ二つになった上に、鬼のように体が崩れ始めた最愛の弟の姿だったからだ。

目には、溢れんばかりの涙が溜まっている。


実「どうなってる畜生ッ!!体が…なんで鬼みたいに体が崩れるああああクソッ!クソッ!!」

玄「兄…貴…」

実「大丈夫だ何とかしてやる。兄ちゃんがどうにかしてやる!!」

玄「……兄…ちゃん…ご…めん…あの…時…兄ちゃんを…責めて…ごめん…迷惑ばっかり…かけて…ごめん…」

実「迷惑なんかひとつもかけてねぇ!死ぬな!!俺より先に死ぬんじゃねぇ!!」


兄弟の目からは次々と涙が流れ落ちた。


玄「守って…くれて…あり…がとう…」

実「守れてねえだろうが!馬鹿野郎!ああああクソオオオ!」

玄「兄ちゃん…が…俺を…守ろうと…してくれた…ように…俺も……兄…ちゃん…を…守り…たかった…」


同じ気持ちなんだ。兄弟だから。


玄「つらい…思いを…たくさん…した…兄ちゃん…は…幸せに…なって…欲しい…死なないで…欲しい…
"俺の…兄ちゃん…は…この世で…1番…優しい…人…だから… "」


実「……っ」


酷い兄ちゃんだったろうに。

だけど、玄弥はちゃんと分かっていた。


実「ああああ頼む神様!どうかどうか、弟を連れて行かないでくれ!お願いだ!!!」


玄「あり…が…とう…兄…ちゃん…」


実「〜っ!!!」

玄弥の体は完全に消えた。実弥は、服だけになった弟をきつく抱き締める。

彼が今まで玄弥を突っぱねていたのは、鬼殺隊という危険な道から退き、幸せに生きて欲しいが為。
忘れる訳無い。本当に本当に大切な、たった1人の肉親なのだから。


実「ああああああ玄弥!!ああっうああっ!玄弥ーっ!!!」


やっと、兄弟で分かり合えたのに。
兄貴でなく、久しぶりに兄ちゃんと呼べたのに。
世界はこんなにも残酷に2人を引き剥がした。


実「あああああああ!!」

実弥の悲愴な泣き叫ぶ声だけが、静まり返った空間に響く。




無一郎の元にいた3人も、こちらに戻ってきた。


「…頭を上げて、不死川さん」

そう言うAだが、ボロボロに泣いていた。

行「…不死川、行かねばならぬ。」

それは行冥も同じ。


凛「無惨を倒すまでは終わらない…」

凛ノ介は背を向けると、誰にも気付かれないように目元を拭った。





「先に逝った皆の為にも、やり遂げましょう。」



いざ、最終決戦へ。

63話、代償は突然に→←61話、欲しかったもの



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設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥 , 煉獄杏寿郎   
作品ジャンル:恋愛
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韓国海苔ごはん(プロフ) - さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き)さん» ありがとうございます!それとご指摘ありがとうございます。ほんっと困るくらい見落としが多いのでとても助かります…しかも槇寿郎さんが好きとはなんと渋い!! (2021年4月5日 10時) (レス) id: 23bf08a048 (このIDを非表示/違反報告)
さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き) - 完結おめでとうございます!とても良いお話だったと思います(*^_^*)・・・それと すいません、あとがきの所の槇寿郎さんの名前の(槇)の字が(槙)になってます・・・ (2021年4月4日 15時) (レス) id: c50ca7ded5 (このIDを非表示/違反報告)
韓国海苔ごはん(プロフ) - 浅葱さん» ありがとうございます! (2021年2月6日 9時) (レス) id: 23bf08a048 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 続編移行おめでとうございます!これからも頑張ってください! (2021年2月5日 21時) (レス) id: 11ffe6e997 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:韓国海苔ごはん | 作成日時:2021年2月5日 21時

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