ひゃくごじゅう ページ5
｢降魔さん！｣
｢緑谷くん…｣
ノートを抱えて走ってくる緑谷くん。聞く気満々だよね。
どこから話せばいいだろう。“個性”発現してから所々端折って今に至るところまででいいかな。
話し倦ねていると、緑谷くんに手を引かれる。目の前に図書館が見えてきた頃、手は離された。
図書館に入っていく緑谷くんに続いて中に入ると、窓際へ座る。ノートを広げた緑谷くんはそわそわとしたまま、わたしを見た。
｢ちゃんと話すから｣
｢うん、うん。待つよ｣
深呼吸をする。
別に幼少期が最悪だった訳では無いんだ。わたしがヒーローを目指すことに反対されたこともないし。
ただ、そう。お母さんがいつも悲しそうな顔をしていたのが印象的だっただけで。
｢まずは“個性”が発現する頃、からかな｣
わたしの“個性”発現は遅い方だった。みんなよりすごく。5歳になる誕生日の1ヶ月前に漸く片鱗が見え始めたんだ。
初めは小さく角が現れるくらい。次第に肩甲骨あたりが骨張った。鱗が肌を覆う。
そして、血を吐いた。ちょうど誕生日の1日前に。
その日は大慌てだった。
異形型で生まれるはずが人の形で生まれたから発現が遅かったのね、と笑っていたお母さんの顔が引き攣る。悲しげに歪んだその顔が未だに忘れられないんだ。
それからは大変だった。毎日吐血しては体を壊す。1箇所治ったと思えば、また怪我をしているんだから、いたちごっこもいいとこだ。
｢次は体が“個性”に慣れてきて血を吐かなくなってからかな｣
悪魔という“個性”はすごく厄介で。でも、嫌いになったことは無いんだけどね。だって、それはもうわたしの1部だったんだから。
とりあえず、話を戻そうかな。
厄介っていうのはね、力加減に困ったの。普通にコップを持とうとするだけで粉々になっちゃうんだもん。
だから、力を抑えようとしてこの人型を習得したんだ。
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怜(プロフ) - monsterさん» ありがとうございます！そんなふうに言ってもらえるなんて光栄です！！これからも頑張りますので、応援お願いします！！！！夜分遅くに失礼しました。 (2018年11月4日 23時) (
レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
monster - 深夜に、失礼します。今日、一気読みしました！それほどおもしろい作品です！これからも、更新、頑張ってください！応援してます！ (2018年11月4日 22時) (レス) id: 5382ffa71d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2018年10月16日 14時
