ひゃくなな ページ10
side：相澤消太
＊＊＊
駆けていく降魔を見送る。さて、あいつはクリアできるか。いや、できるだろう。
そんな過度な期待を寄せているのが分かったのか、エクトプラズムさんが硬い声色で言った。
｢随分ト厳シイ試験内容デハナイカ？｣
｢そうでもないですよ。職場体験で痛感しました。あいつは強い｣
それも追い詰められるほど強くなる。降魔を強くするためには多少厳しすぎる方がいい。
時計を見る。降魔が行ってからそろそろ5分。開始するか。
開始のブザーを鳴らし、エクトプラズムさんとハウンドドッグさんが“個性”を使いながら降魔を探していくのを眺めた。
モニターで降魔の居場所を確認する。ゲートの真反対。
小悪魔たちが運動場全体に広がっている。あんな量を出して、あいつにはキャパを考慮するという考えはないのか。いや、何かあったら姿を変えるつもりなのだろう。
この試験をクリアするつもりだからこそ、出し惜しみはしない。降魔らしいな。
エクトプラズムさんの分身がどんどんと小悪魔たちを消していく。ハウンドドッグさんは小悪魔のせいで降魔の位置が少し分かりづらいみたいだが。それでも少しずつ近づいている。
ふと、降魔の体が色を失っていくのに気づいた。透明になるようにだんだんと色が消える。
不可視化させれば、少しの時間は稼げるだろうが。こっちじゃ位置を確認できないから、動向が分からないな。
試験開始から10分経っただろうか。小悪魔は全て消えて、エクトプラズムさんたちはゲートと真反対、降魔が最初にいた位置にいた。
ハウンドドッグさんは匂いを辿っているみたいだが、そこで首を傾げている。匂いが消えたのか？
不意に羽ばたく音が聞こえる。ゲートの近くからだ。エクトプラズムさんの分身が切り裂かれる。弾かれるように走り出したハウンドドッグさん。
空間が歪んで色づき始める。降魔がそこにいた。
ああ、そういえば。こいつは翼を持っているんだった。遥か上空からの匂いは風に飛ばされて地上に届かない。考えたな、こいつも。
｢これでクリアですね？｣
｢ああ。試験内容をもう少し工夫するんだった｣
俺が苦々しくそう言うと、降魔は嬉しそうに笑った。
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みか(プロフ) - 相澤センセになにを言われたのか気になるわワワワワー (2021年8月21日 14時) (
レス) id: f6b4c1a931 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - 甘味さん» ありがとうございます！オチはまだ決めてないですけど、緑谷と絡み増やしてみたいと思います！ (2018年10月5日 11時) (レス) id: 768ee3909e (このIDを非表示/違反報告)
甘味 - 凄く面白かったです！落ちは、緑谷君がいいと思います！更新頑張ってください！ (2018年10月4日 23時) (レス) id: 02d52b4d87 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - 夢ウサギさん» ひえ、そこまで褒めてもらえるなんて……嬉しいです！ありがとうございます！オチは未定ですけど、轟と絡み増やしてみますね！ (2018年9月23日 17時) (レス) id: 768ee3909e (このIDを非表示/違反報告)
夢ウサギ(プロフ) - とっても面白かったです！ ストーリーや設定もよく考えてあって、凄いです！ 続きが楽しみです！！ 個人的に轟くん落ちにして欲しいと思ってしまった… (2018年9月23日 13時) (レス) id: b114151de4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2018年9月7日 13時
