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「こういうとき、君は隠そうとするのに」
「……だって、恭弥が僕を甘やかすから」
不貞腐れて、口を尖らせる。くつくつと笑い声が耳元で聞こえた。
「恭弥のせいだよ。どうしてくれるの？」
「僕は構わないよ」
首筋に唇が触れて、熱い吐息がかかる。震えた肩を誤魔化すように「またそうやって甘やかす……」と文句を言った。
唐突にカプッと首を噛まれる。柔く歯を立てられて、舌でなぞられて、ぢゅうっと肌を吸い上げられた。
「この間のは消えてるから、ちょうどいいね」
「よくないよっ！リボーンに揶揄われたんだから」
「見せつければいい」
目を合わせるために頬を包まれて、鼓動が早くなる。心地良いのにどきどきして。独占欲を見せつけられて、嬉しくなってしまう。
他の人ならいやだって思うのに、恭弥が相手だと頭がふわふわして何も考えられなくなった。
今ならなんでも言える気がして、恭弥の手に擦り寄る。
「ねえ、わがまま言っていい？」
「なに？」
「キスしたい」
恥ずかしさを堪えて恭弥を見る。ふっと笑った恭弥が顔を近付けた。
「ワガママにもならないよ」
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作者名：怜
| 作成日時：2023年9月2日 16時
