【REBORN!】エンティティさまが僕を消すまで -11-【DBD】 (ページ9)

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わがままになりたい日ページ9

朝起きてから、なんとなくムッとしていた。よく分からないけど、たぶんそういう気分の日。
天気は曇りだし、僕のテンションも下がりがち。どんよりモヤモヤしていて、つまんない。

コーヒーを飲みながら本を読んでいたって集中できないし。こういう日は何をやってもダメで、どうしたって気分は上がらないんだ。
前までは自分で機嫌をとって、どうにか折り合いをつけていたんだけど。甘やかしてくれる人がいるせいか、すっかりできなくなってしまった。

休日は基本的に恭弥が来てくれるし、このまま待ってても問題ないけど。

部屋着からゆるっとしたパーカーとスキニーに着替えて、霧の道を作る。だって、はやく会いたいんだもん。

足早に歩いて光の指す方に飛び込んだ。ぽんっと霧から投げ出されてバランスを崩しかけた僕を、目を見開いて恭弥が受け止める。ふわりと鼻を擽るシトラスの香り。そのままぎゅううと強く抱きしめた。

「A？」

「ん〜〜っ」

「待てなかった？」

ぐりぐりと頭を押し付けて頷く。小さく笑った恭弥が僕を抱え直して座った。首に腕を回して額を首筋に預ける。黙ったままひっついていると、髪を優しく梳かれて恭弥と目を合わせた。
額にキスされてちょっとだけ笑う。

「もっとぎゅうってして」

これ以上ないってくらいくっついているのに、ちょっとだけわがままを言ってみる。目を細めた恭弥は腕の力を強くした。それで少しずつモヤモヤが晴れてきて、恭弥の肩に頬を寄せる。

「めずらしいね」

僕の後頭部を撫でながら恭弥が呟いた。