【REBORN!】エンティティさまが僕を消すまで -11-【DBD】 (ページ8)

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せせら笑うかのように触手がざわめく。

【まさか。あの子の一番は私。それは不変の事実だ。今更自慢するようなことではない】

【人間、お前はただあの子の姿に刮目せよ。その本質を受け入れよ。一生を添い遂げるのであれば、あの子の非人道的な衝動すらお前が支えるのだ】

エンティティは愛おしむような声色で、モニター越しのAを触手でなぞる。ついぞ生存者がいなくなったステージでAがケタケタと笑い声を上げていた。

非人道的な衝動、と反芻するヒバリ。目をひらべったくさせて、ヒバリは頬杖をつく。

「それこそ今更だよ。Aが僕に全部くれるって言ったんだ。それがなんであれ、もう僕のものだよ」

【ふん。海の子ほどとは言わないが、人間も強欲よ】

海の子、それはかつての世界でAに恋したフロイド・リーチのことだった。ヒバリはその言葉がAを想う者を指していると察したのか、形の良い眉を寄せて不愉快だと吐き捨てる。

繰り返しモニターに映る儀式。いずれも生存者は全て肉フックや失血死で生贄となった。ヒバリは楽しそうに駆け回るAに少し頬を緩める。
次第に黒い霧が地面から這い出した。

【心得よ。お前が死ぬまではAを貸し与えるが、その未来に救いはない】

「救いなんて必要ないさ」

霧が大きく膨らんでヒバリを飲み込む。いつの間にかモニターは消え去っていて、闇の中で触手だけが鼓動していた。

【人間と私の信者が愛し合うか。最期を別つ悲しみや苦しみを知らないからこそ、できることよ】