【REBORN!】エンティティさまが僕を消すまで -11-【DBD】 (ページ35)

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「帰らないの？」

「もし本当に見合いの話がきたらどうする？」

「断るよ。僕には恭弥がいるから」

そうだね、と呟いたきり黙ってしまった恭弥。何やら考え込んでいた恭弥は僕の手を取ると、帰ろうと言った。

「あっ、着替えないといけないね」

バルコニーに来ちゃったけど、結局控室に戻らなきゃいけないんだった。すっかり忘れてた。

恭弥に手を引かれながら会場に戻ると、さっきのこともあって周りの視線が突き刺さる。めんどくさいなぁと思いつつ会場を出て控室へ戻る道すがら、ヒールの音が僕たちを追いかけるようについてきた。
隠す気も感じられない足音は執念深さを表すようで、頭痛がしてくる。

深いため息をついて恭弥の手をぐいぐい引っ張ると、恭弥はぴたりと足を止めた。不思議に思って隣を見れば、頬を手で覆われて軽くキスされる。
驚いて目を瞬かせているうちに2回3回と回数を重ねられて、うっとりと目を閉じた。

繋いでいた手は胸の辺りまで持ち上げられて、見せつけるように恋人繋ぎになる。きゅうっと手に力を込めて、もっとって言う代わりに離れた唇を追いかけた。

ふと薄目を開けると、恭弥がどこかを見ている。その視線を辿ってみれば、苦々しい表情をしているアデリーナさんと目が合った。見られてる、けど……。

キスの合間、甘えるように恭弥の名前を呼ぶ。どうせなら見せつけてやろう。だって、ちょっとムカついたんだもん。

「痕、つけてっ……恭弥のって、ん、」

上擦った声で強請る僕に、恭弥は目を細めた。頬から首筋に降りた手はそのまま僕のネクタイを緩める。そこでようやくアデリーナさんが乱暴な足音を立てて去っていった。
すると、恭弥は手を止めて少し体を離す。

「見えるところにもつけるけど」

つーっと指先で鎖骨をなぞられる。肩を揺らしてそっと恭弥を窺うと、さっきまではなかった獰猛な光が射抜くように僕を見ていた。いいね？と念押しする恭弥。
その熱を帯びた瞳にたじろいで、言葉が詰まった。

「ぅ……うん、いいよ？」

少しばかりの羞恥に襲われて目を逸らす。口角を上げた恭弥は僕の手を引っ張って控室に入ると、早く着替えるように言った。着替え終わったら恭弥に抱き上げられて、急かされながら霧を出す。
家に着いたら宣言通りたくさん痕をつけられるんだろうなって鼓動が高鳴った。