【REBORN!】エンティティさまが僕を消すまで -11-【DBD】 (ページ13)

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フランのためだったんだってページ13

クロームに声をかけられて足を止める。もう黒曜に戻ったと思っていたけど、並中の制服に身を包んでいた。幻覚ではなさそうだけど。

「A……骸さまが呼んでる」

「へえ、そうなの」

「呼んでこいって、言われて」

言葉に詰まりながらもクロームは僕をまっすぐ見つめる。六道骸も人が悪い。僕が断りづらいようにクロームを使うなんて。

渋々頷いて霧を呼び出す。手を差し出そうとしたところで、恭弥が良く思わないだろうと気付いた。どうしようかな。歩いて黒曜まで行くの結構面倒なんだけど。

そう思いながらも霧を片付けようとして、クロームが口を開いた。

「私、他に用事があるから」

「そう。じゃあ、僕は行くね」

「うん。……あ、」

片手を霧にかけたところでクロームが何か言いたげにする。足を止めて振り返ると、クロームは薄らと頬を染めていた。

「おめでとう」

「……何が？」

「付き合ったって、聞いたから」

驚いて言葉を失ってしまって、その間にクロームは走り去っていく。そういえば、おめでとうなんて言われたことなかったかも。
当然のように受け入れられていたし、改めてそう言われるとなんだか照れ臭い。

今度何か差し入れしようかな、と思うくらいには嬉しかった。