だからファミリーにはならないって ページ11
「今日はヒバリと一緒じゃないんだな」
町の見回り中に現れたリボーンが唐突にそう言う。当たり前でしょ、と言えば、リボーンは怪訝そうな顔をした。
四六時中一緒っていうわけじゃないんだけど。そんな顔をされると、僕がおかしいみたいだ。
「お前らはセットだと思ってたぞ」
「そんなわけないじゃん」
「喧嘩でもしたか？」
「してないよ！」
つい語気を荒げたけど、リボーンは気にする素振りを見せない。どうにも気が削がれてため息をついてしまった。
用事もなさそうなのに、どうして僕に話しかけてるのかな？遊んでくれるっていうなら、話は別だけど。そんな様子もなさそうだし。
「リボーンこそ、沢田綱吉は放っておいていいの？」
「今は授業中だしな」
「あれ？もうそんな時間？」
腕時計を見れば、午後2時過ぎ。確かに授業中だ。そろそろ戻ろうかな。平日の真っ昼間からやらかすやつも少ないだろうし。
帰りの見回りルートを思い描きながらリボーンを横目で見ると、ニヨニヨと笑っている。
「それでヒバリと結婚すんのか？」
「……ファミリーにはならないからね」
「結婚はするんだな」
まるで揚げ足取りだ。目を逸らしてだんまりを決め込んでいると、さらに楽しそうに笑われる。
こうも揶揄われっぱなしだと気分が悪い。何か言ってやろうと思うんだけど、大人の余裕とばかりに受け流されるから、こっちの気力が削がれるだけ。ムカつくよねぇ。
「Aからツナにアドバイスしてやってくれ。あいつは優柔不断なんだぞ」
「何のアドバイス？」
「恋に決まってんだろ」
「嫌だよ！」
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作者名：怜
| 作成日時：2023年9月2日 16時
