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沢田綱吉に駆け寄る獄寺隼人たちを見て、終わったんだと悟る。気配が消えていないことから、古里炎真も無事だと理解して目を伏せた。
彼らの賑やかな会話の中、苦い思いを必死に飲み干す。人と一緒にいるから、苦しくなるんだ。だから、そうだ。退学しよう。関わりはもう消してしまおう。もうエンティティさまの目的は果たせる状態だ。あとは定期的に回収するだけ。
それ以外は必要ない。
「勝敗は決した。敗者はシモンファミリーボス、古里炎真」
「まっ、待って！！もうオレ達は憎しみ合ってはいないよ！！戦う意味はなくなったんだ！！」
「いいや。この戦いは最後まで止まることはない。お前達の先祖により決められた掟だ」
問答無用で、復讐者が話を進める。6つ目の『鍵』は透明のおしゃぶりだった。バミューダが持っていたものだ。
今回の記憶はこの戦いが勃発する所以に関わるものなんだろう。あのおしゃぶりが今回の記憶にバミューダが出てくる根拠になる。バミューダの仕事はマフィア界の掟を守らせること。
であれば、先祖が約束をしたその場面が記憶として流れてくるのは明白だ。
「おい復讐者！！なぜお前達がその透明なおしゃぶりを持ってるんだ！！」
記憶が流れ終わったのか、リボーンが声を荒げる。復讐者は答えない。
なぜ、なんてとても簡単なことだ。彼らもそれを持っていたから。リボーンも分かっているはずなのにね。
「古里炎真。お前にはシモンのボスとして、両ファミリーの戦いを最後まで見届けてもらう。よって投獄は今行われている、最後の守護者の戦いの後とする」
「最後の守護者の戦い？」
「クロームのこと……？ってことは、相手は加藤ジュリー……あっ、つまり！！D・スペードだ！！」
慌ただしく走っていく沢田綱吉。それを追いかけていく古里炎真たち。ヒバリさんに一瞥されて、僕も足を動かそうというとき、エンティティさまの触手を見た気がして、後ろを振り返る。
「A？」
ヒバリさんに声をかけられて首を振った。たぶん、見間違いだ。
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作者名：怜
| 作成日時：2023年2月20日 23時
