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大きくなり始めた音に刺激されて、目を覚ます。すぐに視界に入ったのはヒバードで、僕と目が合うなり、おはようと声を上げる。体を起こせば、ぱさりと音を立てて学ランが落ちた。これ、ヒバリさんの？
学ランを手にしてヒバリさんを見れば、指にとまったヒバードを撫でている。
「オハヨウ！オハヨウ！……A？」
「うん、おはよう」
「オハヨー！」
「ヒバリさん。学ラン、ありがとうございました」
挨拶を繰り返すヒバードにおはようと返して、それからヒバリさんに学ランを返す。頷いたヒバリさんは学ランを羽織って、沢田綱吉たちに目を向けた。
ぽやーっと眺めていると、僕に視線を戻したヒバリさんがくすりと笑う。
「よく眠れたみたいだね」
「……いっつも思うんですけど、どうして分かるんですか？」
「君は結構分かりやすいよ」
全然答えになってないんだけど……。というか、僕ってそんなに分かりやすいの？そうなのかなぁ？
むむむっと考え込んでいると、沢田綱吉たちはこちらを一瞥して歩き出した。移動を始めるようだけど、僕が呼ばれないってことはついていく必要はないんだろう。
それならもう少し寝てても良かった気がする。もったいなかったかも。
ぐいーっと体を伸ばして立ち上がる。たくさん寝たおかげか、視界がクリアだ。思考もしっかり回っているし、必要ないとはいえ、睡眠は大事だね。
これを機に、僕もそれらしい生活を心がけたほうがいいのかもしれない。こっちの世界に来てから、睡眠は時間潰し、食事は“遊び”とは違う憂さ晴らしとして扱っていたから。
でも、食事はいいとして、睡眠は難しい。だって、敵陣の中で眠るって無防備すぎるもん。リボーンみたいにトラップを仕掛ければいいのかな？それとも、仮眠に留めておけるように訓練してみる？悩ましいねぇ。
「A。僕たちも行くよ」
「はーい」
一足先に歩いていくヒバリさんの隣に並んで、鼻歌を歌う。ヒバリさんは目を細めて僕を見た。なんですかと言うかわりに首を傾げてみる。
「それ、子守唄？」
「そうですけど、なんで分かるんです？」
「なんとなく」
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作者名：怜
| 作成日時：2023年2月20日 23時
