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「なぜだ?なぜ、貴様ほどの男が沢田綱吉などにつく」

「ついてなんていないさ。君こそもう一匹の小動物につく意味あるの?」

「炎真は軟弱な小動物などではない。シモンの悲しみを背負う強い男だ!」

「いいや、小動物さ。背負うなんて不釣り合いなことしてるから、悲鳴をあげている」

「くっ!たしかに炎真は戦いを好みはしない!!炎真にとって仲間を失うことは何より辛いことだ!!」


嫌いなことをわざわざするなんて、変なの。やめてしまえばいいのに。好きなことだけしていればいいのに。人間は天寿が短いのだから、好きなことをしないと損だよ。
なんて、そう上手くいかないのも知っているけど。


ダイヤモンドキャッスルに攻撃を与えては、氷人形を砕くことを繰り返すヒバリさん。氷の城にはかすり傷程度しか入っていない。確かに、外側からの攻撃には強いみたいだ。


「ねえ、ヒバード。どっちが勝つと思う?」

「ヒバリ!ヒバリ!」

「だよねぇ。にしても、君の頭、リーゼントみたいだ。どうなってるの?」


くるんと持ち上げられた頭の羽を人差し指で撫でると、ヒバードはピッピッと鳴いて楽しそうだった。


ヒバードを構いながら、また戦いを眺める。さすがのヒバリさんも息が上がってるみたいだね。あれだけ猛攻を仕掛けておいて、城は崩れる様子がない。
だけど、ヒバリさんが考えなしで攻撃をしているとは思えないし。


「一つ、君は勘ちがいしているよ。小動物は時として弱いばかりの生き物ではない。でなくちゃ、地球上の小動物はとっくに絶滅しているよ。小動物には小動物の生き延び方があるのさ」


小動物……あ、ロール。ロールがいるじゃん。そうだ。あの城は外側からの攻撃には確かに強いんだろう。でも、内側からの攻撃に脆いのなら。城についたかすり傷から、ロールが入り込んで破壊できるのなら。
僕が試したかったことだ。


「何が言いたい」

「たとえば、君の氷の城を破壊するのは僕のトンファーではなく、この小動物のロールなのさ」

「何?」

「君の自慢のこの城は外からのどんな炎攻撃も弾くようだけど、内側からの攻撃には耐えられるのかな?」

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作者名: | 作成日時:2023年2月20日 23時

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