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覚悟、……覚悟？どこかで、聞いたような……。どこだっけ。
「“風紀”の2文字は何があっても譲らないよ。でも、誇りだから譲らないんじゃない」
「譲れないから、誇りなのさ」
その強かな姿を知っている。知っているんだ。でも、どこで？ノイズが混じりながらも、鮮明になる声。
『………………の話は聞けな……。その覚悟が………………なら、なおさら』
燃え上がるような痛みがオブセッションマークから伝う。胸元を握る手が震えた。もしかしたら、僕は以前も間違えたのかもしれない。
何を？何を間違えた？何かしなきゃいけなかったんだ。でも、僕は忘れている？
不意に頭の上に何かが乗った。ハッと顔を上げれば、頭から腕へと降りたヒバードが僕を見つめている。思い出しかけていたことはノイズを伴って遠ざかっていった。
タイミングが悪いよ、とヒバードを撫でる。そう言ったってどうしようもないことは分かっているんだけど。
首を振って戦場を見下ろせば、ヒバリさんがブリザードロイドを粉々にしている最中だった。生身の人間じゃない分、加減しなくていいから伸び伸びと戦えてるね。
「ちっ、ひるむな！！」
「ひーふーみー……そろそろ頃合いかな……」
振るわれたトンファーからチェーンがどんどん伸びていく。雲属性の特性は増殖。チェーンが伸びているのはその特性のおかげだ。伸びていくチェーンは氷人形を切り裂いて、あっという間に全滅させてしまった。
「あとは君とそれを覆う氷の贅肉を噛み砕くだけさ……」
「それは不可能だ。ダイヤモンドキャッスルは絶対に砕けない。それだけではない！！」
再び出現する氷人形。変わり映えしないね。ちょっとくらい捻りを加えればいいのに。たとえば、数を減らして性能をさらに良くするとか。性能が既に上限値ならどうしようもないけど。
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作者名：怜
| 作成日時：2023年2月20日 23時
