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そうなんですかとヒバリさんを見上げる。僕にはそう思えないけどな。だって、完成しているのなら、炎への耐性もできているはず。それこそパークに頼らなくてもいいはずなんだ。

ぽんと頭に置かれた手が優しく髪を梳く。目を瞬かせると、ヒバリさんはいつものように笑みを浮かべた。


「その弱点はAという人間である限り、避けられないものだよ。それをこの短期間で克服したんだ。誇っていい」

「んー……ヒバリさんが、そういうなら……」


しっくりこないけど、ひとまず頷く。ヒバリさんの言葉に嘘も裏もないからね。信頼に値するって知ってるんだ。
だからこそ、惜しいと思ってしまうけど。

まあいっかと立ち上がって、ぐーっと体を伸ばす。うろちょろと球針態の周りを見ながら、時折指先で叩いて硬度を確かめた。ヒバリさんの炎の純度はありえないくらい高いからね。壊すのも一苦労だ。
僕だってパークの力を借りて何発か入れないと壊せないと思うし。


「ヒバリさん、つまんないです。帰っていいですか?」

「まて!その前に1つ確認しておきたい。A、お前はオレたちの仲間か?」

「……えーっと、その前に。すごーく申し訳ないんですけど……。誰ですか?」


振り向いて女性に問えば、がくりと肩が落ちた。だって、今までヒバリさんのアジトの方にいたんだもん。知らなくても仕方ないでしょ?

ラル・ミルチだと名乗ったその人はボンゴレ門外顧問という組織に属しているらしい。門外顧問……聞いたことあるね。確か、沢田綱吉のお父さんもそこの所属じゃなかったっけ?実質No.2だとか言ってた気がする。
まあ、いいや。


「それで、仲間か、だっけ。うーん、仲間と言われると難しいな。エンティティさまの命令があるうちは君たちに力を貸す義務があるだけで。仲間ではないよ」

「なっ!?」

「そもそも仲間っていうのはある程度同類じゃないと成り立たないと思うんだよね。残念ながら、僕には沢田綱吉たちが同類に見えない」


仲間じゃないけど、力は貸すよと締め括って笑う。わなわなと肩を震わせていたラル・ミルチは踵を鳴らしながら僕に近付いてきた。
その様子をぼんやり眺めていると、突然拳が振り抜かれる。ひょいと躱して首を傾げた。

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作者名: | 作成日時:2022年10月24日 23時

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