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その日の夜、やることもないから寝ようと思って部屋に布団を敷いた。それから少し考えて部屋を出る。一応おやすみなさいは言っておこうと思ってね。
ヒバリさんがよくいる部屋を訪ねれば、笹川了平がいた。草壁さんは困り顔をしていて、どういうことかと聞こうとした瞬間、怒声が響く。
「ならば、拳と匣を交えるまでだ!!」
「僕は構わないよ」
「極限に止めるもの何もなし!!」
「いいえ、さっきから私が止めてます!くだらない理由で守護者同士がバトルなどやめてください」
バトル?するの?わーいと両手を上げて、僕もまぜてくださいと声を上げる。一斉に視線を向けられて首を傾げた。そういうことじゃないの?
「Aさんもやめてください。本当にくだらないんですから」
「どこがくだらぬ理由だ!!オレは屋敷に入れるのに、チビ達は出入り禁止とはどーいうことだ!!!」
「本当は君だって入れたくないんだ。君を見てると闘争心が萎える」
「何を!!極限にプンスカだぞ!!!」
チビ達は出入り禁止……?ああ、ランボとイーピンのこと?それなら仕方ないんじゃないかな。だって、ヒバリさんだもんねぇ。
「わかりました、わかりました。私が向こうのアジトでランボさんとイーピンさんと遊ばせてもらいます。それで勘弁してください」
「しょうがない……では1ラウンドだけだ」
「僕は構わないよ」
「ダメです!!話し合いをしてください!!」
なぁんだ、と肩を落とす。10年後のヒバリさんと笹川了平が戦うのなら、面白いと思ったのに。あーあ、残念。
興味もなくなって部屋から出ようと襖に手をかける。あ、当初の目的忘れるところだった。
「ヒバリさん、僕もう寝ますね」
「随分と早いね」
「だって、やることなくて暇なんですもん」
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作者名:怜 | 作成日時:2022年10月24日 23時