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「赤ん坊から聞いたとおりだ。僕の知るこの時代の君には程遠いね」
若干不満そうなヒバリさんに呼応するように、ハリネズミの勢いが強くなる。対抗するように必殺技を見せる沢田綱吉。
あれ、なんだっけ。炎を凍らせるやつ。えーっと、ボンゴレ初代も使ってたって聞いたけど……。
うんうんと悩んでいると、ハリネズミが増殖を始めて沢田綱吉を囲った。綺麗な球体が出来上がって、ヒバリさんのリングが壊れる。球針態になったハリネズミが地面に落ちてきて、その前に膝をついた。僕に手足を伸ばしてきゅうと鳴くその姿が可愛くて、針を避けて撫でる。
「絶対的遮断力を持った雲の炎を混合した密閉球体。これを破壊することは彼の腕力でも炎でも不可能だ。密閉され、内部の酸素量は限られている。早く脱出しないと死ぬよ」
「ふざけんな！！てめーら10日ぶりに現れたと思えば、10代目を殺す気か！！出しやがれ！！」
「弱者が土に返るのは当然のことさ。第一沢田綱吉を殺す理由があっても、生かしておく理由が僕にはない」
「ヒバリさーん、僕も匣兵器ほしいです」
「君には無理だね」
ハリネズミと戯れながらそう言えば、バッサリと切り捨てられる。しょんぼりしながら無理だって、とハリネズミに話しかけた。不思議そうな顔をしているハリネズミに飛びつきたくなるも、今はやめておいた方がいいなと考え直す。
だって、針で傷だらけになっちゃうからね。僕は治るからなんともないけど、以前試したときにこの子が取り乱しちゃったから。それからはやめるようにしてるんだ。
「んじゃあ、オレ達も修行始めるか」
「ま、待ってくださいリボーンさん！！このままじゃ10代目が！！」
「ヒバリはやるっつったらやるぜ……」
「わかってるぞ。だからこそヒバリなんだ。歴代ボスが超えてきたボンゴレの試練には混じり気のない本当の殺意が必要だからな」
ついてきたヒバードが僕の肩に舞い降りる。構えと言わんばかりに体を擦り寄せられて、人差し指で撫でた。
「そういや、Aの修行は順調か？」
「問題ないよ。今の彼はこの時代のAと同等の力量を持ってる」
「やっぱりヒバリに任せて正解だったな」
「そもそも10年前からAはほとんど完成されているんだ。あとは付加能力を如何に使えるかだけだよ」
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作者名：怜
| 作成日時：2022年10月24日 23時
