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三叉の槍で床を叩いたベルフェゴール。その傍には縛られたクロームと解毒済みのマーモンがいた。先手を取られたのだと把握した2人は、この場において圧倒的に不利だった。
「おまえ達の持つリングをわたしてもらおうか」
「さもなくばこの女は皮をはがされ、むごい死に方をするよ」
「ふざけんじゃねぇ！！！そんな安っぽい手にひっかかると思ってんのか！？」
「誰だと思ってんの？オレらは暗殺部隊ヴァリアーだぜ。殺しにおいては、ウソはナッシング」
ナイフがクロームの頬に当てられ、そこから血が溢れる。獄寺が信じられないと噛み付くも、ベルフェゴールはそれも自由だと言ってナイフをさらに押し当てた。
「グズグズしてっとひんむく前に毒で死ぬぜ」
「くっ……そ〜〜〜！」
「しょーがねー……」
顔を顰めた山本はリングを渡すという選択を取った。獄寺は止めようとするが、山本は手で制して、交換条件を突きつける。まずはクロームの解毒と雨・雲のリングの交換。それができれば、残りのリングとクロームを交換する、と。
ベルフェゴールは気に入らないようで反論したが、マーモンがベルフェゴールを宥めた。
「おまえの刀のリーチには入んないぜ。その距離からそっとリングをころがしな」
「同時にだ」
「うわー生意気。しょーがねーな。じゃー、せーのっ」
クロームのリストバンドに霧のリングが嵌め込まれると同時に、山本はリングを2つ転がす。そうして躓いたふりをして、刀を蹴り飛ばした。それがベルフェゴールの肩に命中し、マーモンが動揺している間にその小さな首へ刀を添える。
「動くな」
「……やはりタダモノではない連中だ。警戒しておいてよかったよ」
マーモンがそう言うと同時にベルフェゴールたちは消えて、別の場所に現れる。無数に増えたマーモンが指し示す事実は、既に幻術にかかっていたということだった。
「ししし。さーて、残りのリングもいただこーか？」
「なに！？」
「幻覚だったのか！！」
「形勢再逆転♪」
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作者名：怜
| 作成日時：2022年10月11日 19時
