＊＊＊ ページ44
六道骸との戦いのときは、幻術を使うのは1人しかいなかったから、冷静に対処できてたんだけど。1人増えるだけで負荷がかかりすぎるんだ。どちらも化かし合いをしているんだから、それも仕方ないというか……。
視界は目紛しいのに、気配はそこまで動かないから、感覚がバグっちゃう。
なんというか……僕弱いね。この世界に来てから寒さに弱くなったし。この世界特有の死ぬ気の炎、だっけ。あれは僕が持ち得ることがないものだし。幻覚とかいう子供騙しにもこんなふうにグロッキーになっちゃうし。嫌になっちゃうな。
少し吐き気がマシになってきた頃にマーモンの気配が変化する。アイマスク越しでも分かる光に、リボーンはやはりと呟いた。
「奴の正体はアルコバレーノ、バイパー」
「んな！！？う……浮いてる！！あいつもアルコバレーノ！？」
「ああ。奴も最強の赤ん坊、
サイキック能力を持つ術士。そんな言葉を聞いてげんなりしてしまう。これ以上ここにいると、本当に気分が悪くなりそうだ。
また幻覚の応酬が続くんでしょ。そんなの耐えきれないね。僕が幻覚で酔わなくなればいいんだろうけど。目を塞いでやっとマシになるっていうレベルなのに、すぐに克服できるわけがない。
「やばいぜ。あのバカチビ相手じゃ並の術士じゃかないっこねーぜコラ！」
「なめんなコロネロ。髑髏は並の術士なんかじゃねえぞ」
「誰だろうと……負けない」
音が反響して、空間が揺らいで、それが情報となる。視界が塞がれたぶん、研ぎ澄まされていく感覚。盲目だったほうがより気配に敏感になれたかも。
なんて視界から送られる情報も馬鹿にならないから捨て難いんだけどね。
「ムム、この大蛇。幻覚ではないのか」
「す！すごい！効いてるみたいです……！」
「あの女！！やるではないか！！」
大蛇か。大方それも毒を持ってるんでしょ。知ってるよ。だって、六道骸も使っていたから。しかし、本当に不思議だね。彼女は憑依されていないのに、六道骸の力が使えるんだ。
マーモンに纏わりついていた大蛇が振り払われたのか、気配がなくなる。硬いもので床を叩く音。視界がないせいで分からないけど、幻覚を使っているんだろう。
「確かに君の幻覚は一級品だ。一瞬でも火柱にリアリティを感じれば、焼けこげてしまうほどにね。ゆえに弱点もまた幻覚！！！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 28人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
怜(プロフ) - リィさん» ありがとうございます！！面白いと言っていただけるとやる気が出ます！まだストックは尽きていないので、今後も早めに更新できると思います。お楽しみに〜！ (2022年10月7日 0時) (
レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
リィ(プロフ) - あ"ぁ"っ…！楽しみすぎてつらい…！！なんでこんな面白い話を作れるのか疑問です…更新頑張ってください！！ (2022年10月5日 13時) (レス) @page32 id: 1730b53d16 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：怜
| 作成日時：2022年10月1日 3時
