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「あなた、かわいそうね。エンティティの庇護を受けている私が相手だなんて！」
「……“使徒の戦い”はいつ開催される？」
「リング争奪戦と同時期に行います。対戦カードはランダムですので、悪しからず」
「そう」
彼女は頭が悪いんだろうか。チェルベッロに届けられた手紙に、彼女に宛てたものはない。それが意味することを理解できていないんだろうか。自ら躍り出て偽者だと名乗っているようなものだ。
今すぐ殺してやりたいけど、せっかくエンティティさまが舞台を整えてくれたんだ。無駄にすることは許されない。
「感じわる〜。そんなんだからエンティティに愛想尽かされんのよ」
「“さま”をつけろ愚者が」
「ハァ〜！？」
おっと、口が悪くなっちゃった。危ない危ないとわざとらしく口元を隠す。慇懃無礼にお辞儀をしてみせて、胸元に手を当てた。背筋はピンと伸ばして、踵をつける。これは僕の誇りだ。
「我が神、エンティティさまの命令の下、偽者に罰を、死を与えることを誓いましょう。残り数日の命を精々足掻け」
踵を返して歩き出す。その背にチェルベッロから明日の晩11時に並中に集まるように言葉を投げかけられた。それには返事をせず、屋根に飛び移る。そうして真っ直ぐ家を目指した。
その最中にドクドクと逸っていく心臓。エンティティさまが、エンティティさまがまた僕に手紙をくれた！それだけではなく、命令も！こんなに喜ばしいことがあるだろうか。否、ない！
今すぐ叫び出したい気持ちを抑えて、上気していく頰を冷ますために風を受ける。踊り出したい気分だ。この幸せに包まれたまま死んでしまいたい気持ちだ。世界がきらめいて見えて、今ならなんでもできそう！
“いとしい子”とまた呼んでくれた。“取り乱すなんてらしくない”と僕を理解してくれていた。幸せのあまり滲んだ涙を拭って一際高く飛び跳ねる。頭上に光る月にだってキスしたい気分だよ！
ふと冷静になって周りを見渡す。誰にも見られてないよね？こんなに浮かれてるところを見られたら恥ずかしすぎるもん。そうして落ち着いてきた頃、僕は重要なことを訂正し忘れていたことに気付いた。
「僕、沢田綱吉のファミリーじゃないんだけど……」
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怜(プロフ) - リィさん» ありがとうございます！！面白いと言っていただけるとやる気が出ます！まだストックは尽きていないので、今後も早めに更新できると思います。お楽しみに〜！ (2022年10月7日 0時) (
レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
リィ(プロフ) - あ"ぁ"っ…！楽しみすぎてつらい…！！なんでこんな面白い話を作れるのか疑問です…更新頑張ってください！！ (2022年10月5日 13時) (レス) @page32 id: 1730b53d16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2022年10月1日 3時
