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それでもすぐに殺しはせず、入念に心を折ろうとする様は来世までその悪行を刻み込もうとしているように捉えられ、Aの怒りを表しているようだった。
『分かる？これ、出来レースだよ。君という偽者を殺すだけの舞台』
スピーカーを通して聞こえるAの声は人間味が欠落している。モニターに映る表情はマティアを眺めてようやく満足したと緩められた。この地獄が終わる合図のようなそれに、リボーンは人知れず安堵の息をつく。
そうして珍しくこちら側でモニターを見ているヒバリを一瞥した。その表情に焦燥や強い愛情が窺えて、リボーンは目を見開く。
──オレもヒバリを見習うべきだな。
口には出さず、口元に笑みを浮かべて、リボーンは最期を見届けようとモニターを見上げた。職人技のように首が綺麗に切り離され、血飛沫が上がる。一滴も返り血を浴びていないその姿に惚れ惚れとするのはリボーンの殺し屋としての血が疼いたせいだろう。
ようやく終わったという雰囲気に包まれている最中、モニターの中のAを見れば、黒い触手が纏わりついていた。それを甘んじて受けるAは首から上を赤く染め上げていて、エンティティと信者という関係性の異常さを浮き彫りにする。
照れながらも極上の甘い笑みを浮かべるAに、ヒバリは歯噛みしていた。そんな表情を己の前では見せないくせに、と有り体に言ってしまえば嫉妬だ。自分の前では出さない表情を、自分以外の者に曝け出しているのを眺めさせられるのは屈辱以外の何物でもなかった。
そのためヒバリがエンティティのことを敵だと認識するのに時間はかからなかった。
──あの子は僕のものだよ。
そう心中で呟いたヒバリに反応するかのように触手が鎌首をもたげる。そうしてこちらを見ているカメラを一突きで破壊し、モニターには砂嵐が映った。
「“使徒の戦い”はA様の勝利です」
チェルベッロがそう言ったことにより、鉄壁のドアが開く。Aはエンティティと戯れるのをやめてそこから出てくると、ぐーっと伸びをした。さながら一仕事終えたあとの解放感を漂わせており、人を殺したあとだというのに欠伸までしてみせる。
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怜(プロフ) - リィさん» ありがとうございます！！面白いと言っていただけるとやる気が出ます！まだストックは尽きていないので、今後も早めに更新できると思います。お楽しみに〜！ (2022年10月7日 0時) (
レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
リィ(プロフ) - あ"ぁ"っ…！楽しみすぎてつらい…！！なんでこんな面白い話を作れるのか疑問です…更新頑張ってください！！ (2022年10月5日 13時) (レス) @page32 id: 1730b53d16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2022年10月1日 3時
